坂本龍一さんの作品のことで…もう一つ♪ 2001年にリリースされたアルバム『CASA』は、今までにも少し触れたことがありましたが Antonio Carlos Jobim のバンド Banda Nova(バンダノヴァ) のメンバーだったチェリスト Jaques Morelembaum と、その奥さんでヴォーカリストの Paula との3人で紡いだ Jobim の作品集です♪当時も大変話題になり商業的にも成功した、高い評価をされたアルバムで今さら何を言い足すこともない作品なのですが、当時…私自身としては、そのギターを抜いたピアノとチェロだけでボサノバのサウンドを表現するという方法に多少の違和感を感じたりもして、仲間のドラマーとも「あれはボサノバとは言えない…」などと不遜な発言をふくめて語り合っていたことを思い出します♪ 今…改めてそのサウンドを聴きかえすと、ただただそのピアノの響きの美しさに魅了されて、当時…なぜあれほどギターのないサウンドの是非にこだわって聞いていたのか…と反省させられるのでした♪ Jobim の住まいのアトリエ(仕事場)で、そのJobim本人が日々弾いていたピアノを使って録音されたサウンドはシンプルに美しく…四半世紀近い時の流れを微塵も感じさせません♪ Jobim のあまり知られていない小品たちも取り上げられ、とても丁寧なカバーがなされて、自然な時間と自然な空間とを…ともに穏やかに捉えた極上のサウンドが展開されていきます♪アートに携わるもの皆が思い描く…その作品の中に“永遠”を封印する、という夢を具現化された、素晴らしい名作アルバムです♪
映画『リトル・ロマンス A Little Romance 』(1979)は…『明日に向かって撃て!』、『スティング』で知られるジョージ・ロイ・ヒル監督による青春映画の傑作です ♪ 今や名実ともに大女優のダイアン・レイン Diane Lane のデビュー作でもあります ♪ 私が最初に見始めた映画のひとつで、十代前半の主人公たちの初々しさと、老年のいぶし銀の名演技で脇をささえるローレンス・オリビエ Laurence Olivier の素晴らしさが今も記憶に深く刻まれています ♪ 音楽は、これまた 1960 年代のヌーベルバーグ Nouvelle Vague のフランス映画の数々から、のちには『ツインズ』、『フォー・エバー・フレンズ』などのハリウッド映画まで手掛けていく映画音楽の名作曲家 ジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue が担当…♪ 当時、欧米でベストセラーになっていた、作家パトリック・コーヴァンの小説を映画化したもので、パリで巡り逢い、惹かれ合った2人の少年少女が謎の老人から聞かされた伝説に導かれるように , 、ヴェニスのため息の橋の下でキスをして永遠の愛を誓おうとする…現代のおとぎ話 ♪ メインテーマには Vivaldi ヴィヴァルディのギター協奏曲の美しい緩徐楽章が使われて、みずみずしいロマンチックな雰囲気を醸し出しています ♪ この映画でアカデミー賞のオリジナル作曲賞も獲得しているジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue の作る…それ以外の音楽も、丁寧で職人的な佳曲ばかりで、映像と音楽が相まって楽しめるとても素敵な作品です ♪ この作品にふれるたびに、映画と音楽とのいちばん美しい関係について、いつも…ハッと気づかされるようです ♪