坂本龍一さんの作品のことで…もう一つ♪ 2001年にリリースされたアルバム『CASA』は、今までにも少し触れたことがありましたが Antonio Carlos Jobim のバンド Banda Nova(バンダノヴァ) のメンバーだったチェリスト Jaques Morelembaum と、その奥さんでヴォーカリストの Paula との3人で紡いだ Jobim の作品集です♪当時も大変話題になり商業的にも成功した、高い評価をされたアルバムで今さら何を言い足すこともない作品なのですが、当時…私自身としては、そのギターを抜いたピアノとチェロだけでボサノバのサウンドを表現するという方法に多少の違和感を感じたりもして、仲間のドラマーとも「あれはボサノバとは言えない…」などと不遜な発言をふくめて語り合っていたことを思い出します♪ 今…改めてそのサウンドを聴きかえすと、ただただそのピアノの響きの美しさに魅了されて、当時…なぜあれほどギターのないサウンドの是非にこだわって聞いていたのか…と反省させられるのでした♪ Jobim の住まいのアトリエ(仕事場)で、そのJobim本人が日々弾いていたピアノを使って録音されたサウンドはシンプルに美しく…四半世紀近い時の流れを微塵も感じさせません♪ Jobim のあまり知られていない小品たちも取り上げられ、とても丁寧なカバーがなされて、自然な時間と自然な空間とを…ともに穏やかに捉えた極上のサウンドが展開されていきます♪アートに携わるもの皆が思い描く…その作品の中に“永遠”を封印する、という夢を具現化された、素晴らしい名作アルバムです♪
ブラジルポピュラー音楽を代表するシンガーソングライター…Ivan Lins♪その代表曲 “ Começar De Novo (コメサー·ヂ·ノーヴォ…新しくはじめよう…) ”は、作者本人のバージョンはもちろん…さまざまなカバーバージョンが存在します♪ ハーモニカの名手 Toots Theielmans の アルバム『The Brasil Project』 の Ivan 本人も歌う美しいバージョンは広く聴かれています♪ 私のお気に入りは 女性歌手 Simone の アルバム 『Pedaços』 の冒頭を飾る…凛とした輝きを感じさせ堂々と歌いあげるバージョン♪