投稿

ジャズ・フュージョンのシーンにおける名ギタリスト… John Abercrombie ジョン·アバークロンビー(1944 - 2017)のつくりだすサウンドには、私自身とても自然な親近感を覚えることが多く、数多くの録音をとおして影響を受けた気がしています ♪ 1970年代にリリースされた、キーボーディスト Jan Hammer とコラボレーションしたアルバム『 Timeless 』、そのアルバムでも共演していた名ドラマー Jack DeJohnette 、同じく名ベーシスト Dave Holland らとのグループ…〈Gateway〉でのプレイや、1986年に ピアニスト Bill Evans のトリオの晩年のベーシスト Marc Johnson 、名グループ〈Weather Report〉 のドラマー、Peter Erskin とのコラボレーションによるアルバム『 Currents Events 』などが私自身…印象深いですけれども、その他にもマルチプレーヤーとしても名高いギタリスト Ralph Towner との『 Salgasso Sea 』などのデュオ作品や、ギターを中心にした多重録音で構成した1977年のソロアルバム『 Charactors 』なども時折聴き返したくなる名作です ♪ その膨大な録音のなかでも、とりわけ繰り返して聴くことの多いのが1997年…ドラマーの Adam Nussbaum および オルガンの Dan Wall とのトリオによるライブアルバム『 Tactics 』での示唆に富み、縦横無尽に、そして詩的に展開する素晴らしいサウンドスケープです ♪
Maria Bethânia マリア·ベターニア…Caetano Veloso の妹であり、その数多くの録音によってブラジルポピュラー音楽の女王と言われる存在です ♪ 1960年代から現在に至るまで60年以上におよぶ活動は、その不動の存在感を十二分に裏付けるもので…ブラジルポピュラー音楽の中核を担う重要なアーティストたちと多くコラボレーションも重ねています ♪ 私自身…印象的なのは1975年の Chico Burque とのジョイントによるライブアルバム、 Djavan の作品をとりあけてアルバムタイトルとしてもフィーチャーした1977年の『 Alibi (アリバイ)』そして Antonio Carlos Jobim のスタンダード “ Anos Dourados (黄金の歳月)” をふくむアルバム『 Dezembros(12月) 』などがありますけれども…Vinicius Moraes の作詞による作品を集めた2005年のアルバム『 Que Falta Você Me Faz (とても君が恋しい)』では、Baden Powell の愛息 Marcel Powell の素晴らしいギタープレイとのコラボレーションのよる名スタンダード “ A Felicidade ”を聴くことができます ♪ フランスのシンガーソングライター Pierre Barouh ピエール·バルーによるブラジルポピュラー音楽のドキュメンタリー映画『Saravah サラヴァ』に登場して名曲サンバ “ O Nosso Amor (私たちの愛)” (映画『黒いオルフェ』の挿入歌)を楽しそうに口ずさむシーンも…忘れられません ♪
Jazz Fusion ジャズ·フュージョン の最重要グループのひとつ…Weather Report は、その1971年のファーストアルバム『 Weather Report 』から鳴り物入りで全世界の注目を集めるリリースとなって、ジャズギタリストの Pat Metheny などにも多くの影響を与えていたことは広く知られていますけれども…その次のアルバム『  I Sing Body Electric 』(1972) が、それに先立つ東京·渋谷公会堂でのライブを編集した3曲のトラックが含まれて制作されたものであることも有名です ♪ そのライブは『 Weather Report Live In Tokyo 』として2枚組のアルバムとして1972年に日本でリリースされています ♪ “  Vertical Invader " - " T.H. " - " Dr. Honoris Causa ”, “ Surucucu (スルクク)” と “ Directions ” のオリジナル…ノーカット全曲版をふくむ12曲からなる内容は、このグループの初期のサウンドを知るうえでもっとも素晴らしい録音ともいえるものです ♪ サックスの Wayne Shorter とともにバンドをリードしてプレイするキーボードの Joe Zawinul の 〈Fender Rhodes フェンダーローズ〉 のトーンとサウンドは、今もこの…1970年代を象徴するエレクトリック·ピアノの美しいショーケースと言えます♪ グループの初期のリズムセクション…アコースティック·ベースの Miroslav Vitous , ドラムの Eric Gravatt とパーカッションの Don Um Romão からなる自由度の高い Jazzy な Groove グルーブも、この時期ならではのものです ♪ フリージャズのテイストとその後のジャズ·フュージョンのサウンドをともに感じさせるこのライブアルバムは、今も私のこころを変わらずときめかせてくれます ♪
The Isley Brothers アイズレー·ブラザーズ…アメリカを代表するこのグループは、1950年代から現在まで R&B, Soul そして Funk といったサウンドの素晴らしいショーケースを提示しつづけてくれています ♪ 1961年のシングルヒット “ Twist And Shout ” は The Beatles にカバーされ、世界的なスタンダードとなります ♪ 1970年代にトップ10ヒットとなった “ That Lady ” をはじめ、Funk ファンクの王道を感じさせる堂々とした…しなやかな Groove グルーブ と、のちに Whitney Huston にもカバーされる “ For The Love Of You ” や、“ Between The Shirts ” などのスローバラードが 美しいコントラストをかたちづくり、Ronard Isley のファルセットボーカル、キーボード奏者の Chris Jaspar の豊潤なサウンド、Ernie Isley のドライブするギタープレイとともにかけがえのないオリジナリティを醸し出しています♪ 1970年代の活動の総括を感じさせる1980年のアルバム『 Go All The Way 』では、そのタイトル曲や “ Say You Will ” といったナンバーに彼らのエッセンスが十二分に感じられて、今も大好きな作品です ♪
George Benson ジョージ·ベンソンの数あるアルバムのなかでも名作と名高い1970年の『 The Other Side Of Abbey Road 』…The Beatles のもっとも知られているアルバムのひとつである最後のスタジオ録音アルバム『Abbey Road 』(1969) の曲目を George Benson が、あざやかなジャズギターサウンドと Soulful なボーカルでカバーした内容で、オリジナルの佳曲にジャズフュージョンの視点から新たな魅力を照らし出す魅力あふれる作品です ♪ The Beatles の音楽が、そのルーツである Blues や  Jazz, R&B といったブラックミュージックに多く根ざしたものであることを George Benson という優れたフィルターをとおしてあらためて感じることができます ♪ “ Come Together ”, “ Here Comes The Sun ”といった名曲をふくむコンテンツには Bob James(Key), Ron Carter(Bass), Jerome Richardson(T.Sax)…など名うての優れたプレーヤーが録音に参加して、その後の70年代のジャズフュージョンシーンの胎動をも感じさせます ♪ The Beatles のオリジナルアルバムと同じ…アビー·ロード·スタジオまえの横断歩道でのロケーションによる、ギターを携えた George Benson の飄々と歩くジャケットフォトとともに、とても印象深い名アルバムです ♪
Christopher Cross クリストファー·クロス の最初の全米ヒットとなった “ Sailing セイリング ”のサウンドは当時リアルタイムで体験して非常につよく印象に残っています ♪ この曲とそれを収めたデビューアルバムは1981年のグラミーも獲得…一躍ユニークなシンガーソングライターとしての存在を確立しました ♪ 内省的な歌詞と additional note = 付加音を特徴的に用いたメロディやギターのアルペジオの響きが、その美しい歌声とともにとても爽やかな新鮮さを感じさせてくれました ♪ Burt Bacharach らとともにアカデミー主題歌賞を獲得した “ Aurther's Theme - The Best That You Can Do  ( 邦題 ニューヨーク·シティ·セレナーデ ) ” や “ Alright ” などの…つづくヒット曲にもそのサウンドの妙味は変わらず感じられます ♪ 後年は The Beach Boys をはじめ…ほかのミュージシャンのライブにもゲストやサポートで参加するなど…アメリカ西海岸のロックンロールシーンを代表する存在感を示しています ♪ ハイテンポのロックナンバーにも多く魅力を感じさせる彼の作品のなかで、やはり前述のファーストヒット …“ Sailing ” が、いちばん好きな1曲です ♪
Gil Evans ギル·エバンス…このモダンジャズにおける最高のアレンジャーの晩年の活動の軸となった、ニューヨークのジャズクラブ Sweet Basil でのライブを収めて最初にリリースされた1985年のアルバム 『Live At Sweet Basil Vol.1』は発表された当時から現在まで繰り返し聴きつづけている作品で、彼のジャズにおけるビジョンとその集大成をかたちづくる大きな魅力を放ちつづけています ♪ 1970年代に追求された緻密なオーケストラアレンジにジャズ本来の恣意性を併せて演奏される冒頭の “ Parabola ” にはじまり、4ビートジャズの疾走感を存分に感じさせる “ Prince Of Darkness ” での Hiram Bullock の見事なギターソロ、Howard Johnson によるチューバ、バリトンサックス、バスクラリネットといった低音管楽器を駆使した圧倒的なインプロビゼーション、ハイトーンのトランペットの名手 Lew Soloff のプレイなど…ジャズオーケストラならではの色彩豊かなサウンドのバリエーションが80分以上にわたって展開されていきます ♪ 25分近いメドレーで〈C〉の調の Blues を聴かせる場面は、ジャズのスピリットのオデッセイ…未来への架け橋となっているようにも感じられます ♪ Charles Mingus の名スタンダード… “ Goodbye Pork Pie Hat ”でのアルトサックス奏者 Chris Hunter のよどみのない見事なソロは何度繰り返し聴いても素晴らしい…このライブのハイライトと言っていい場面です ♪