Jazz Vocal ジャズボーカル…という言葉からどんな連想をされるでしょうか?♪ 私としては10代の終わり頃に観た記憶のある映画『真夏の夜のジャズ』での Anita O’Day の“Tea For Two 二人でお茶を”を歌うテクニカルな歌唱が印象的で、以来彼女の歌をリファレンス Referenceとして信頼することも多くなりました ♪ ジャズを演奏するライブスポットなどでは日々スタンダードを歌う歌い手たちをジャズコンボのリズムセクションがバックアップする…というカタチが多くとられています ♪ ジャズに限らず歌とバンドの演奏とは基本的には別次元で進行しているといってよく、歌手は歌うとき以外は、前奏、間奏そしてエンディングの演奏をバンドに委ねて曲を聴衆に届ける…♪ カラオケ…の文化が、そのことをわかりやすく表していると思います ♪ それを超えていくような歌い手が、決して多くはないのですが…存在します ♪ 先ほどのAnita O’Day, Ella Fitzgerald, Sarah Vaughan, Dinah Washington さらに続く世代では Chaka Khan など…♪ そういった圧倒的な存在感を示すボーカルに対して、バンドは、その歌い手を主役と見立てて脇を支えながら、一体となって一緒によりよい演奏をめざしていく ♪ そんな〈歌〉と〈バンド〉のしあわせな関係に想いをはせながら、音楽をつくっていきたいと改めて思います ♪
映画『リトル・ロマンス A Little Romance 』(1979)は…『明日に向かって撃て!』、『スティング』で知られるジョージ・ロイ・ヒル監督による青春映画の傑作です ♪ 今や名実ともに大女優のダイアン・レイン Diane Lane のデビュー作でもあります ♪ 私が最初に見始めた映画のひとつで、十代前半の主人公たちの初々しさと、老年のいぶし銀の名演技で脇をささえるローレンス・オリビエ Laurence Olivier の素晴らしさが今も記憶に深く刻まれています ♪ 音楽は、これまた 1960 年代のヌーベルバーグ Nouvelle Vague のフランス映画の数々から、のちには『ツインズ』、『フォー・エバー・フレンズ』などのハリウッド映画まで手掛けていく映画音楽の名作曲家 ジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue が担当…♪ 当時、欧米でベストセラーになっていた、作家パトリック・コーヴァンの小説を映画化したもので、パリで巡り逢い、惹かれ合った2人の少年少女が謎の老人から聞かされた伝説に導かれるように , 、ヴェニスのため息の橋の下でキスをして永遠の愛を誓おうとする…現代のおとぎ話 ♪ メインテーマには Vivaldi ヴィヴァルディのギター協奏曲の美しい緩徐楽章が使われて、みずみずしいロマンチックな雰囲気を醸し出しています ♪ この映画でアカデミー賞のオリジナル作曲賞も獲得しているジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue の作る…それ以外の音楽も、丁寧で職人的な佳曲ばかりで、映像と音楽が相まって楽しめるとても素敵な作品です ♪ この作品にふれるたびに、映画と音楽とのいちばん美しい関係について、いつも…ハッと気づかされるようです ♪