Antonio Carlos Jobim と Vinícius de Moraes の作った名曲の1つに映画『黒いオルフェ Orfeu Negro』の主題歌 “A Felicidade” があります ♪ ギリシャ悲劇にもとづいた悲しいおはなしなのもあって、このながくつづく日本の暗い雰囲気のなかで、自分のレパートリーになっていても、あまり積極的にとりあげて演奏することを避けてきました
♪ けれど…とても美しいサウンドのいい曲なので、ギターやピアノで弾いたり一緒に歌ったりしながらサウンドの研究は重ねていて、最近になってふと…そんなに演奏をひかえるほど不吉な歌でもないのじゃないか、と考えが変わってきました
♪ A Felicidade はポルトガル語の「幸せ」の意味なのですが、「悲しみには終わりがないけれど、幸せには終わりがある…」というリフレインが印象的です
♪ 一年をとおして懸命に働いて、それが〈ひと夜〉で夢のように終わるカーニバルのため…というブラジルのカーニバルの文化が見事に表現されている傑作ですが、歌詞で描かれている「終わりのある幸せ」というのは、実のところ…恋人たちの愛しあう時間のことで、駆けるように夜が過ぎていって「幸せなとき」に終わりが来てしまう…という、至極当然な…典型的なラブソングなのだ…と今更のように思い直した次第です
♪ ずっと以前に友人の結婚式のBGMを頼まれたときに演奏したことがあって、悪いことをしたかな…と呵責に悩まされていましたが、そんなに気にすることでもなかったかな…と、救われる気持ちにもなりました
♪ 〈歌詞の研究〉と〈長生き〉はするものだ…と思ったりもします ♪
(これも、とりとめのない話シリーズ…に入るのでしょうか…)