以前にもこのブログに書いたことのある Queen の音楽を聴いていて思うのは、曲のなかでおそらく意識的に〈7th(セブンス)のコード〉が使われていないということです ♪ 日本の音楽の教科書では「属7の和音」と表現されている…ピアノの白鍵を使ってソ・シ・レ・ファと4つの音を一緒に押さえたときの響きで、ハ長調でいうと主和音のド・ミ・ソに戻るための強い関係を示す「属和音」といわれる和音です ♪ ギターを弾いた経験のあるかたならコードを示すローマ字のあとに数字の7が…〈◇7〉といったように一緒に書かれているコードを押さえる練習をされたことがあると思います ♪ ブルースやジャズ、ロックンロールなどの音楽では基本の響きの和音で、さきに説明した属和音のコードは、この〈7th(セブンス)のコード〉になっていることが自然で、そうなっていることがほとんどです ♪ この〈7th(セブンス)のコード〉を意識的に使わないようにするとどうなるか…?ひとつには曲のテイストがクラシック音楽っぽく感じられるようになるのと、もうひとつ大きいのは…続く次の和音への選択肢が増えて、和音進行が感覚的にとても自由になるということです ♪ ブリティッシュロック…に代表されるヨーロッパのロックミュージックには Queen にかぎらず、こういった…意識的な〈7th(セブンス)のコード〉を避ける作曲がされる傾向があって、その特徴をかたちづくっています ♪ “Now I’m Here”, “We Are The Champions”, “Radio Ga Ga”, “Save Me” など…理論的な説明は避けますが、〈7th(セブンス)のコード〉を避ける作曲をすることで、縦横無尽…とまでは言いませんが…次にどの和音が聞こえてくるのかわからないスリリングな曲の進行を生み出し、まぎれもなく魅力的なロックミュージックである Queen の音楽の大きな特徴になっていると思うのです ♪ このことはブリティッシュロックの代表格のグループとして今も君臨している The Who ザ・フー の音楽(代表曲 “See Me, Feel Me” など…)にも感じとることができます ♪ (作曲編曲よもやま話…そのいくつか、もうわからないシリーズ…すみません ♪ )
映画『リトル・ロマンス A Little Romance 』(1979)は…『明日に向かって撃て!』、『スティング』で知られるジョージ・ロイ・ヒル監督による青春映画の傑作です ♪ 今や名実ともに大女優のダイアン・レイン Diane Lane のデビュー作でもあります ♪ 私が最初に見始めた映画のひとつで、十代前半の主人公たちの初々しさと、老年のいぶし銀の名演技で脇をささえるローレンス・オリビエ Laurence Olivier の素晴らしさが今も記憶に深く刻まれています ♪ 音楽は、これまた 1960 年代のヌーベルバーグ Nouvelle Vague のフランス映画の数々から、のちには『ツインズ』、『フォー・エバー・フレンズ』などのハリウッド映画まで手掛けていく映画音楽の名作曲家 ジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue が担当…♪ 当時、欧米でベストセラーになっていた、作家パトリック・コーヴァンの小説を映画化したもので、パリで巡り逢い、惹かれ合った2人の少年少女が謎の老人から聞かされた伝説に導かれるように , 、ヴェニスのため息の橋の下でキスをして永遠の愛を誓おうとする…現代のおとぎ話 ♪ メインテーマには Vivaldi ヴィヴァルディのギター協奏曲の美しい緩徐楽章が使われて、みずみずしいロマンチックな雰囲気を醸し出しています ♪ この映画でアカデミー賞のオリジナル作曲賞も獲得しているジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue の作る…それ以外の音楽も、丁寧で職人的な佳曲ばかりで、映像と音楽が相まって楽しめるとても素敵な作品です ♪ この作品にふれるたびに、映画と音楽とのいちばん美しい関係について、いつも…ハッと気づかされるようです ♪