松任谷由実さんのアルバム『悲しいほどお天気』は1979年の作品で、その充実した内容が、彼女の傑出した才能の発露を強く感じさせることを、当時から…さまざまな角度から語られていることと思います ♪ 私がこのアルバムの音楽に触れたのは10代半ばの頃だったと思いますが、当時のLPレコードいっぱいに収録された時間的な長さとともに記憶に印象づけられています♪ 個人的に…5曲目の“丘の上の光“に表現される、ゆっくりと自転車を漕いでゆく情景と後半を彩るスローサンバのサウンドのマッチングが心を捉えて放さず、私にとってのユーミンのフェイバリットソングの1つです♪ブラジル音楽でCuíca クイーカという独特な奏法をすることで知られるパーカッションがよく使われますが、私がそのサウンドに初めて触れたのも、この曲からだった気がします ♪ アルバム全体が、歌や演奏はもちろん、サウンドの面からみても…とても素晴らしく、音楽家の立場から興味が尽きぬ内容で、彼女の主に1990年代から2000年代にかけてのライブをツインギターの1人として支えた、惜しくも亡くなられたギタリストの中川雅也さんが、このアルバムの”水平線にグレナディン”を演奏する機会に巡りあったときに、とてもうれしかった、と語ってらしたのも、強いシンパシーとともに思い起こされます♪当時のアップトゥーデイトなサウンドがそのまま未来にも続いていくのを感じさせる…とてもユーミンらしい傑作だと思います♪
ブラジルポピュラー音楽を代表するシンガーソングライター…Ivan Lins♪その代表曲 “ Começar De Novo (コメサー·ヂ·ノーヴォ…新しくはじめよう…) ”は、作者本人のバージョンはもちろん…さまざまなカバーバージョンが存在します♪ ハーモニカの名手 Toots Theielmans の アルバム『The Brasil Project』 の Ivan 本人も歌う美しいバージョンは広く聴かれています♪ 私のお気に入りは 女性歌手 Simone の アルバム 『Pedaços』 の冒頭を飾る…凛とした輝きを感じさせ堂々と歌いあげるバージョン♪