Maria Bethânia マリア·ベターニア…Caetano Veloso の妹であり、その数多くの録音によってブラジルポピュラー音楽の女王と言われる存在です ♪ 1960年代から現在に至るまで60年以上におよぶ活動は、その不動の存在感を十二分に裏付けるもので…ブラジルポピュラー音楽の中核を担う重要なアーティストたちと多くコラボレーションも重ねています ♪ 私自身…印象的なのは1975年の Chico Burque とのジョイントによるライブアルバム、 Djavan の作品をとりあけてアルバムタイトルとしてもフィーチャーした1977年の『 Alibi (アリバイ)』そして Antonio Carlos Jobim のスタンダード “ Anos Dourados (黄金の歳月)” をふくむアルバム『 Dezembros(12月) 』などがありますけれども…Vinicius Moraes の作詞による作品を集めた2005年のアルバム『 Que Falta Você Me Faz (とても君が恋しい)』では、Baden Powell の愛息 Marcel Powell の素晴らしいギタープレイとのコラボレーションのよる名スタンダード “ A Felicidade ”を聴くことができます ♪ フランスのシンガーソングライター Pierre Barouh ピエール·バルーによるブラジルポピュラー音楽のドキュメンタリー映画『Saravah サラヴァ』に登場して名曲サンバ “ O Nosso Amor (私たちの愛)” (映画『黒いオルフェ』の挿入歌)を楽しそうに口ずさむシーンも…忘れられません ♪
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Jazz Fusion ジャズ·フュージョン の最重要グループのひとつ…Weather Report は、その1971年のファーストアルバム『 Weather Report 』から鳴り物入りで全世界の注目を集めるリリースとなって、ジャズギタリストの Pat Metheny などにも多くの影響を与えていたことは広く知られていますけれども…その次のアルバム『 I Sing Body Electric 』(1972) が、それに先立つ東京·渋谷公会堂でのライブを編集した3曲のトラックが含まれて制作されたものであることも有名です ♪ そのライブは『 Weather Report Live In Tokyo 』として2枚組のアルバムとして1972年に日本でリリースされています ♪ “ Vertical Invader " - " T.H. " - " Dr. Honoris Causa ”, “ Surucucu (スルクク)” と “ Directions ” のオリジナル…ノーカット全曲版をふくむ12曲からなる内容は、このグループの初期のサウンドを知るうえでもっとも素晴らしい録音ともいえるものです ♪ サックスの Wayne Shorter とともにバンドをリードしてプレイするキーボードの Joe Zawinul の 〈Fender Rhodes フェンダーローズ〉 のトーンとサウンドは、今もこの…1970年代を象徴するエレクトリック·ピアノの美しいショーケースと言えます♪ グループの初期のリズムセクション…アコースティック·ベースの Miroslav Vitous , ドラムの Eric Gravatt とパーカッションの Don Um Romão からなる自由度の高い Jazzy な Groove グルーブも、この時期ならではのものです ♪ フリージャズのテイストとその後のジャズ·フュージョンのサウンドをともに感じさせるこのライブアルバムは、今も私のこころを変わらずときめかせてくれます ♪
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The Isley Brothers アイズレー·ブラザーズ…アメリカを代表するこのグループは、1950年代から現在まで R&B, Soul そして Funk といったサウンドの素晴らしいショーケースを提示しつづけてくれています ♪ 1961年のシングルヒット “ Twist And Shout ” は The Beatles にカバーされ、世界的なスタンダードとなります ♪ 1970年代にトップ10ヒットとなった “ That Lady ” をはじめ、Funk ファンクの王道を感じさせる堂々とした…しなやかな Groove グルーブ と、のちに Whitney Huston にもカバーされる “ For The Love Of You ” や、“ Between The Shirts ” などのスローバラードが 美しいコントラストをかたちづくり、Ronard Isley のファルセットボーカル、キーボード奏者の Chris Jaspar の豊潤なサウンド、Ernie Isley のドライブするギタープレイとともにかけがえのないオリジナリティを醸し出しています♪ 1970年代の活動の総括を感じさせる1980年のアルバム『 Go All The Way 』では、そのタイトル曲や “ Say You Will ” といったナンバーに彼らのエッセンスが十二分に感じられて、今も大好きな作品です ♪
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George Benson ジョージ·ベンソンの数あるアルバムのなかでも名作と名高い1970年の『 The Other Side Of Abbey Road 』…The Beatles のもっとも知られているアルバムのひとつである最後のスタジオ録音アルバム『Abbey Road 』(1969) の曲目を George Benson が、あざやかなジャズギターサウンドと Soulful なボーカルでカバーした内容で、オリジナルの佳曲にジャズフュージョンの視点から新たな魅力を照らし出す魅力あふれる作品です ♪ The Beatles の音楽が、そのルーツである Blues や Jazz, R&B といったブラックミュージックに多く根ざしたものであることを George Benson という優れたフィルターをとおしてあらためて感じることができます ♪ “ Come Together ”, “ Here Comes The Sun ”といった名曲をふくむコンテンツには Bob James(Key), Ron Carter(Bass), Jerome Richardson(T.Sax)…など名うての優れたプレーヤーが録音に参加して、その後の70年代のジャズフュージョンシーンの胎動をも感じさせます ♪ The Beatles のオリジナルアルバムと同じ…アビー·ロード·スタジオまえの横断歩道でのロケーションによる、ギターを携えた George Benson の飄々と歩くジャケットフォトとともに、とても印象深い名アルバムです ♪
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Christopher Cross クリストファー·クロス の最初の全米ヒットとなった “ Sailing セイリング ”のサウンドは当時リアルタイムで体験して非常につよく印象に残っています ♪ この曲とそれを収めたデビューアルバムは1981年のグラミーも獲得…一躍ユニークなシンガーソングライターとしての存在を確立しました ♪ 内省的な歌詞と additional note = 付加音を特徴的に用いたメロディやギターのアルペジオの響きが、その美しい歌声とともにとても爽やかな新鮮さを感じさせてくれました ♪ Burt Bacharach らとともにアカデミー主題歌賞を獲得した “ Aurther's Theme - The Best That You Can Do ( 邦題 ニューヨーク·シティ·セレナーデ ) ” や “ Alright ” などの…つづくヒット曲にもそのサウンドの妙味は変わらず感じられます ♪ 後年は The Beach Boys をはじめ…ほかのミュージシャンのライブにもゲストやサポートで参加するなど…アメリカ西海岸のロックンロールシーンを代表する存在感を示しています ♪ ハイテンポのロックナンバーにも多く魅力を感じさせる彼の作品のなかで、やはり前述のファーストヒット …“ Sailing ” が、いちばん好きな1曲です ♪
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Gil Evans ギル·エバンス…このモダンジャズにおける最高のアレンジャーの晩年の活動の軸となった、ニューヨークのジャズクラブ Sweet Basil でのライブを収めて最初にリリースされた1985年のアルバム 『Live At Sweet Basil Vol.1』は発表された当時から現在まで繰り返し聴きつづけている作品で、彼のジャズにおけるビジョンとその集大成をかたちづくる大きな魅力を放ちつづけています ♪ 1970年代に追求された緻密なオーケストラアレンジにジャズ本来の恣意性を併せて演奏される冒頭の “ Parabola ” にはじまり、4ビートジャズの疾走感を存分に感じさせる “ Prince Of Darkness ” での Hiram Bullock の見事なギターソロ、Howard Johnson によるチューバ、バリトンサックス、バスクラリネットといった低音管楽器を駆使した圧倒的なインプロビゼーション、ハイトーンのトランペットの名手 Lew Soloff のプレイなど…ジャズオーケストラならではの色彩豊かなサウンドのバリエーションが80分以上にわたって展開されていきます ♪ 25分近いメドレーで〈C〉の調の Blues を聴かせる場面は、ジャズのスピリットのオデッセイ…未来への架け橋となっているようにも感じられます ♪ Charles Mingus の名スタンダード… “ Goodbye Pork Pie Hat ”でのアルトサックス奏者 Chris Hunter のよどみのない見事なソロは何度繰り返し聴いても素晴らしい…このライブのハイライトと言っていい場面です ♪
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Dori Caymmi ドリ·カイミ…ブラジルポピュラー音楽の代表的な作曲家である Dorival Caymmi の子息で、父と同じく優れたシンガーソングライターです ♪ 1960年代から現在にいたるまで、かけがえのない数々の名曲を作っていますけれども、世界的にもっとも知られているのは… Sergio Mendes に取り上げられて英語の歌詞がつけられ、“ Like A Lover ” のタイトルでスタンダードとなって、ハーモニカ奏者で口笛ギターの名手、 Toots Theilemans の 『The Brasil Project Vol.1 』(1992) にも収録されている “ O Cantador (歌い手=吟遊詩人…の意)” というナンバーでしょう ♪ 朗々とした低音ボイスで歌われる彼自身の歌声は、切々としたオリジナリティをともなって胸に響きます ♪ 同じくその Toots の『The Brasil Project Vol.2 』(1993) に収められている “ Obsession ” も あざやかな転調をともなった名曲です ♪ その作風は堂々と揺るぎのない…まるで大自然のような佇まいを感じさせながら、美しい転調をともなって音楽的に展開する魅力あふれるもの…♪ 私のフェイバリットナンバーは、そのタイトルのとおり悠々と流れる大河そのもののサウンドを聴かせてくれる傑作 “ Rio Amazonas (Amazon Liver=アマゾン河) ”… アルバム『 Inner World 』(2009)では自身の歌う歌詞のついたバージョンを聴くことができます ♪
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Olivier Messiaen オリヴィエ·メシアン(1908-1992)…20世紀の音楽を代表するフランスの作曲家で、その数多くの作品は今も、音楽の未来への示唆に満ちています ♪ 1980年代の終わりに、旅行先のパリ市内の教会で行われた、大作『主イエズス·キリストの変容』(1969)を…その大編成オーケストラによる生演奏で聴くことができたのは本当に貴重な体験で、極彩色にも感じられる彼のサウンド(…フランス語では Sonorité ソノリテ)を全身に浴びるように受け止めたことを思い出します ♪ 精密…とも言えるその理論的な作曲プランにもとづきながらも随所に人間的な自由さをもって、調性を強く感じさせない、乱反射するような音響世界が、後年の…鳥の声や自然にインスパイアされた作品にも神秘的な魅力を放ちつづけています ♪ 膨大な作品すべてが傾聴に値しますけれども、第二次大戦中に捕虜となって収容所でめぐり逢った演奏家たちとの合奏のために書かれた、彼の作品のなかでももっとも演奏される機会の多いもののひとつ…『世の終わり(時の終わり)のための四重奏曲 Quatuor pour la Fin du Temps』は、日本の終戦の日の近づいたこの時期に思い起こされる1曲です ♪
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Steve Khan スティーブ・カーン…ジャズ·フュージョンのギタリストとして巨匠の位置にある長いキャリアの音楽家です ♪ 1970年代からセッションギタリストとして多く活躍して、Brecker Brothers の『Back To Back』(1976), Billy Joel の名盤『The Stranger 』や Steely Dan の 『Gaucho 』の録音などでも、そのしなやかなプレイを聴くことができますけれども…彼の真骨頂は、そんなメジャーのシーンから距離を置いて制作された『Evidence』(1980) での多重録音のギターサウンドによる Thelonious Monk の作品群のカバーなどを端緒に、さらに…ベースのAnthony Jackson、パーカッションの Manolo Badrena 、そしてドラマーの Steve Jordan (Charlie Watts 亡き後の The Rolling Stones をサポートしている…)らとともに結成したグループ〈Eyewitness〉での3枚にわたるアルバムに、大きな展開をみせます ♪ メンバーそれぞれの即興演奏を基本に…それらをグループのサウンドとして昇華させる…という方法は、Miles Davis などにも共通する、本質的なジャズとしてのアプローチを強く感じさせる、スリリングな魅力に満ちたものです ♪ 今はなくなってしまったライブハウス…東京の六本木ピットインでの、このグループの来日公演を記録したアルバム『Modern Tines モダン・タイムス』(1985) における演奏は、彼のユニークな音楽のエッセンスを存分に聴くことができます ♪ 私のフェイバリットナンバーは、オリジナルLPレコードのB面、パーカッションソロとのスリリングな掛け合いが展開する “ Penguin Village ”…です ♪
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Ramsey Lewis ラムゼイ·ルイス (1935-2002) のピアノプレイ…その明快なタッチと歌うフレージングには、私自身…とても多くの示唆と影響を受けています ♪ ヒットアルバム『 The 'in' Could 』(1965) 以外にも、ほぼ毎年のようにアルバムを発表しつづけている…音楽に対するバイタリティーは驚くべきものがあります ♪ 自身のピアノトリオに1960年代後半、ドラマーとして在籍し、その後 Earth, Wind & Fire のリーダーとして大活躍する Maurice White をプロデュースチームに加えた1975年のアルバム『 Sun Goddess 太陽の女神 』では、その Earth, Wind & Fire のライブによるカバーバージョンとともに知られるタイトル曲でのファンキーなプレイがクラシックとして聴き継がれています ♪ 1990年代に入ってからは 〈 Urban Knights 〉の名義で Weather Report のリズムセクションとして名高い Omar Hakim(drums), Victor Baily(bass) らとともに極上のジャズフュージョンサウンドを展開していったことも注目に値します ♪ そんななかで私のもっとも愛するのは… Stevie Wonder に2曲の提供を受けた1977年のアルバム『 Love Notes 』でのタイトル曲、そして冒頭を飾る “ Spring High ” での胸躍る Groovy なサウンドです ♪
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João Gilberto ジョアン·ジルベルト の1973年のアルバム『 João Gilberto 』は私自身、1990年代から現在まで…とおして聴きつづけている大好きな作品で、彼の思い描くギターと歌の表現のエッセンスが全編にちりばめられている傑作です ♪ 1960年代からすでに自分ひとりでのギター弾き語りのスタイルで演奏をしていた João ですけれども、Tom Jobim の代表的なスタンダード “ Água de março (三月の水) ” で幕を開けるこのアルバムでは Sonny Carr による…わずかなパーカッションの演奏だけをともなって、とても静謐で詩的な音楽世界を形づくっています ♪ Caetano Veloso の作品 “ Avarandado (ベランダのある家) ” や、João の故郷でもあるバイーア地方の情景を歌った…ブラジルポピュラー音楽でもっとも知られるサンバ “ Aqualeira do Brasil (ブラジルの水彩画) ” の作者である Ari Barroso による古典的名曲 “ Na Baxão do Sapateiro (坂のある下町で…)” が João 自身のギター独奏によって収められたり…と、シンプルなサウンドにつつまれている内容はバラエティ豊かな彩りに満ちています ♪ めくるめく転調を繰り返す“ Eu vim da Bahia (僕はバイーアからやって来た)” は… João の冴えわたる弾き語りの真髄を感じとれる演奏で、私自身のバイブルのひとつでもある名曲です ♪
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佐藤博さんは…2012年に亡くなられてしまいましたけれども、その唯一無二のキーボードプレイとオリジナリティあふれる作品の数々は残された録音のなかでエバーグリーンな輝きを放っています ♪ 数多くのレコーディングセッションでの素晴らしい演奏は枚挙にいとまがありませんけれども…そのユニークな音楽的なエッセンスを結晶のように聴かせてくれる作品が1982年のアルバム『 awakening 』です ♪ これは…当時最先端の機材だった Linn Drum によるドラムプロミングに乗せたボーカル-インストルメンタルサウンドが全編を貫いて展開する傑作で、未だにこのトータルなサウンドデザインは普遍的な魅力に満ちています ♪ The Beatles のスタンダード “ From Me To You ”, Quincy Jones による1970年代のホーンアンサンブルの名曲をシンセサイザーキーボードでカバーする “ Love And Peace ” などもふくまれたコンテンツは Wendy Matthews とともに織りなすボーカルと華麗なキーボードプレイによって極上の心地よさを聴かせてくれます ♪ 深い青色の空と、同じように青いパラソルの覗くベランダのフォトグラフを配した印象的なジャケットデザインとともに〈永遠の夏〉を感じさせてくれる…名作アルバムです ♪
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Dave Grusin デイヴ·グルーシン…は私の最もリスペクトするキーボーディスト、そしてサウンドプロデューサーの1人です ♪ 日本においては渡辺貞夫さんの…『 My Dear Life 』(1977), 『 California Shower 』(1978) などの一連のヒットアルバムでのコラボレーションが特に知られていますけれども、GRPレコードでの数々のプロデュース作品や映画音楽の作曲家としても多くの作品を残しているトータルな音楽家です ♪ Quincy Jones の1970年代におけるスタジオ録音作品…『 You've Got A Bad Girl 』 (1973), 『 Body Heat』(1974), 『 Mellow Madness』(1975)…においてのフェンダーローズピアノを駆使したキーボードプレイはそのどれもが、その時代のジャズフュージョンサウンドを象徴するものです ♪ 1985年の Lee Ritner とのコラボレーションアルバム『 Harlequin ハーレクイン』では、ブラジルを代表するシンガーソングライター Ivan Lins の作品を取り上げて紹介し、その素晴らしい音楽を世界に広く知らしめました ♪ 私の個人的に一番繰り返し愛聴している、1990年代においてのジャズスピリットを素晴らしいサウンドリーディングで存分に展開する2つのアルバム、George Gershwin の作品集『 The Gershwin Connection 』(1991), Duke Ellington のスタンダードを集めた『 Hommage To Duke 』(1993) も…ぜひ聴いてみていただきたいオススメの作品です ♪
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印象主義 Impressionisme(仏) という言葉は…画家のモネ、ルノワールなどの作品について多く語られる美術分野だけでなく、音楽においても フランスの作曲家 Debussy ドビュッシーや Ravel ラヴェルの作品に見られるかたちについて分類 = カテゴライズするうえで用いられます ♪ その特徴は…ひとつには、それまでのドの位置から始まるドレミファソラシド…という序列の全音階 = ダイアトニック·スケール から離れて、残りの6つの音をそれぞれ起点とする、たとえば〈レの旋法(ドリア)〉、〈ファの旋法(リディア)〉、〈ラの旋法(エオリア)〉などの…いわゆる〈教会旋法〉を活用した音響を構築していることと関連しています ♪ Ravel の代表的なオーケストラ作品である バレエ音楽『ダフニスとクロエ』における主題のフレーズには、いわゆる全音階 = ダイアトニックなサウンドとは一線を画す響きが一聴して聴き取れます ♪ 19世紀末から20世紀の初めにかけて、フランスのパリを拠点にして開花していったこの新しい音楽のありようは、Debussy の作品である交響詩『海』や、前述の Ravel の精緻なオーケストレーションなど…印象主義の画家シスレー、スーラ、そしてピサロの絵画における点描などの手法とも相通ずる明滅するような音響効果へと発展して、さらにはその後の Olivier Messiaen オリヴィエ·メシアンなどによる…現代の音楽、そしてジャズやポピュラー音楽のサウンドへの端緒を開いていくのです ♪
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Stevie Wonder の1979年のアルバム『 Journey Throuh The Secret Life Of Plants 』は、彼が初めての映画のサウンドトラックとして手がけた異色の作品で、その…〈植物の生態〉をテーマとしたドキュメンタリーに沿った内容のLPレコード2枚組におよぶ曲には、通常のアルバム作品には見られない実験的な曲の数々がちりばめられています ♪ 諸般の事情で映画が広く公開されず、このサウンドトラックアルバムだけが発表されることとなったのですけれども… Stevie の操るさまざまなシンセサイザーを駆使したナンバーは音楽だけでも十二分にそのテーマ、植物の生態の秘密についての想像をかきたてるサウンドコラージュとなっています ♪ その後になっても代表的な作品としてベストアルバムにもとりあげられる “ Send Her Your Love 愛を贈れば ” や、日本においても西城秀樹さんによるカバーバージョンがヒットした “ Ai No Sono 愛の園 ” など…ポップな佳曲も配しながらインストルメンタル音楽により比重を置いた、とても音楽的に楽しめる作品集となっています ♪ 全編をとおして聴いてみればタイトル曲と言えるバラード… “ The Secret Life Of Plants ” における素晴らしいボーカルや、16ビートの速いテンポに乗せて種子の生命力を表現する“ Race Babblig ” での描写の手法など聴きどころに事欠きません ♪ 私の一番好きなナンバーは Stevie ならではのブラジリアンテイストのスローサンバとも言える “ Power Flower ” …その夢見るような歌詞とサウンドです ♪
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Airplay エア·プレイ…は キーボーディストの David Foster デビッド·フォスターと ギタリストの Jay Graydon ジェイ·グレイドンを中心としたグループユニットで1980年にリリースされた唯一のアルバム『Airplay』は現在でも高く評価されている名作です ♪ ここにはEarth Wind & Fire に提供されたスタンダード名曲 “ After Love Is Gone ” や、Manhattan Transfer に提供された “ Nothin' You Can Do About It ” がセルフカバーされ、その他の佳曲とともに全編をとおしてアメリカ西海岸の爽やかなロックサウンドのポップなショーケースとなっています ♪ 2000年代にいたるまで大ヒット曲を数多く手がける David Foster の言わずと知れたソングライティングの輝きと、1970年代から1980年代にかけての SteelyDan や前述の Manhattan Transfer のポップロックにつながる Jay Graydon のよく歌うギターを軸にしたサウンドセンスを十二分に味わうことができます ♪ アルバムの録音は Toto の主要メンバー… Jeff Porcaro(Ds), David Hungate(Bass), Steve Porcaro(Key). Steve Lukather(Gt) らのリズムに加え、Quincy Jones のホーンサウンドを多く担った Jerry Hey (Tp & Flug Horn)がリードするホーンアンサンブルを配したゴージャスな布陣で行われていて、ポップで緻密な…サウンドタペストリーと言えるものに仕上げられています ♪
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Funk ファンク…は、1960年代から1970年代をとおして世界のポピュラー音楽に波及していった、アメリカ発の代表的なサウンドスタイルと言えますけれども…その象徴的な存在はなんと言っても James Brown ジェームズ・ブラウンです ♪ 初期の作品 “ Try Me ”, “ Lost Someone ”などに聴かれる R&B リズム·アンド·ブルースのテイストは…彼をしてGodfather Of Soul ゴッド·ファーザー·オブ·ソウルと言わしめていることを十二分に感じさせてくれます ♪ “ Out Of Sight ”, “ Papa's Got A Brandnew Bag ” など…ファンクサウンドのルーツと言える、バックバンド JB'sのつくりだすリズムとホーンアンサンブルはその後の “ I Got You(I Feel Good) ”, “ Cold Sweat ” などに代表されるオリジナリティ豊かな曲調に昇華していきます ♪ ジャズフュージョンの代表的なグループ Weather Report の中心メンバーであった Joe Zawinul が…グループのリズムセクションにファンクの要素を取り入れていったことも広く知られています ♪ どの作品にもユニークな特徴が聴き取れる彼の数々のナンバーのなかで、個人的に愛してやまないのは、流れるようなシャッフルビートに身を委ねることができる…1971年の作品 “ Make It Funky ” です ♪ 暑い夏が近づいてくるとなぜか、James Brown の音楽が…とても聴きたくなります ♪
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Toninho Horta トニーニョ・オルタ…は1980年代以降のブラジルポピュラー音楽の発展に欠かすことの出来ないオリジナリティあふれるギタリスト、作曲家… ♪ 彼の1989年のアルバム『 Diamond Land 』は今も折りにふれて聴きかえす…とても好きな作品です ♪ Wes Montgomery にもインスパイアされたとも伝えられるあたたかいギターの音色と、バンドサウンド全体にひろがる…色彩感豊かな転調をともなうサウンドの彩りは、爽やかな風のようなイメージを纏いつつ…忍び込むようにこころの琴線を鳴らしてくれます ♪ 冒頭の “ Mountain Flight ” のまるで流れ込んでくるようなサウンドで幕を明け、リズムとハーモニーがバランスよく織りなす佳曲たちによる構成は、トータルな魅力を放って聴くものを飽きさせません ♪ Edu Lobo や Maria Bethânia そして Joyce …じつに多くのアーティストとコラボレーションしている彼の音楽はブラジルポピュラー音楽のもっとも高いクオリティを存分に感じさせてくれます ♪ Sergio Mendes の2008年のアルバム『Encanto』におさめられている 彼の作品…“ Morning In Rio ” にも、その…シンプルさを保ちながら精細なハーモニーを織り込んでいくユニークな作風をあらためて感じることができます ♪
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ある音楽がこころのなかに思い起こされるとき…そのシチュエーションはときによってさまざまで、理由がはっきりとしないことも多いです ♪ よく言われるのは、その音楽を聴いていたときの思い出が一緒によみがえってくる…というもの ♪ このことは、以前このブログでもふれたことがありますけれども…まちがいなく多くのかたが経験されたことのある事実だと思えます ♪ いま…お話しするのは、もうひとつちがった思い起こされかた…音楽の内容が自分のシチュエーション、つまりそのときの状況や状態にマッチするかたちで音楽そのものが思い起こされる…ということを、自分自身…先ごろ初めて経験しました ♪ 自分の好きで聴いていた音楽が、状況にあわせるように…その音楽の描く内容と符合して思い起こされる…そういうこともあるのだ、と ♪ たしかに、楽しい気持ちのときには自分の好きな…楽しい音楽、かなしい気持ちのときには自分の記憶にある…かなしいことを描いた音楽、それぞれが思い起こされることは…とても自然なことだと今更ながら思います♪ 記憶と音楽…その関係は、まさに双方向…互いに関連してどちらからも思い起こされるものなのでしょう ♪ そして…いずれにしても、音楽はその響きのなかから〈よろこび〉や〈かなしみ〉といった感情の記憶と結びつく〈糸〉を投げかけてくれるのだと思えます ♪ ( とりとめのない話シリーズ…♪ )
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抽象芸術 L'art abstrait ( ラール·アブストレ [フランス語 ])… は美術の分野で主に用いられることの多い言葉で、具体的 = concrète ( コンクレート [フランス語] ) な〈もの〉ではなくで、形や線や色から〈思考〉や〈概念〉そのもの、ひいては〈感情〉までをも直感的に喚起する…といった、20世紀以降の現代に大きな潮流をなした芸術思潮です ♪ カンディンスキーやモンドリアンといった現代画家の作品が有名ですけれども…同じく、スイスの画家…パウル·クレー(1879-1940) の多くの作品もその抽象性において高く評価されています ♪ 音楽ノート…であるこのブログで画家の クレー をとりあげるのは、同時に彼が…バッハをはじめとするクラシック音楽にとどまらず、当時のもっとも先進的な作品も演奏する優れたバイオリン奏者でもあったと伝えられていることが…その理由です ♪ それまで…つまり20世紀になるまで、具象を描くことが中心になっていた美術とは異なり、はじめから本質的に〈抽象的〉 な芸術だと言える音楽では20世紀以降に、〈具体音〉を用いた作品… La musique concrète = ラ·ミュージック·コンクレート( 現在のサンプリング·ミュージックにつながる…) が逆に〈新しい〉ものとして登場してきます ♪ 「見えないものを見えるようにする」という画家クレーの考えは、その作品がとても〈音楽的〉だと言われるように…〈音楽の抽象性〉と深く結びついていることを感じさせます ♪ 現代芸術の夜明け…20世紀初めの西欧では、そんなふうに美術と音楽が互いに干渉する波のように影響しあって〈新しい作品〉をつくりだしていたのです ♪ ( バッハ と クレー をこよなく愛した彫刻家 GN 氏に捧ぐ…♪)