Stevie Wonder の1979年のアルバム『 Journey Throuh The Secret Life Of Plants 』は、彼が初めての映画のサウンドトラックとして手がけた異色の作品で、その…〈植物の生態〉をテーマとしたドキュメンタリーに沿った内容のLPレコード2枚組におよぶ曲には、通常のアルバム作品には見られない実験的な曲の数々がちりばめられています ♪ 諸般の事情で映画が広く公開されず、このサウンドトラックアルバムだけが発表されることとなったのですけれども… Stevie の操るさまざまなシンセサイザーを駆使したナンバーは音楽だけでも十二分にそのテーマ、植物の生態の秘密についての想像をかきたてるサウンドコラージュとなっています ♪ その後になっても代表的な作品としてベストアルバムにもとりあげられる “ Send Her Your Love 愛を贈れば ” や、日本においても西城秀樹さんによるカバーバージョンがヒットした “ Ai No Sono 愛の園 ” など…ポップな佳曲も配しながらインストルメンタル音楽により比重を置いた、とても音楽的に楽しめる作品集となっています ♪ 全編をとおして聴いてみればタイトル曲と言えるバラード… “ The Secret Life Of Plants ” における素晴らしいボーカルや、16ビートの速いテンポに乗せて種子の生命力を表現する“ Race Babblig ” での描写の手法など聴きどころに事欠きません ♪ 私の一番好きなナンバーは Stevie ならではのブラジリアンテイストのスローサンバとも言える “ Power Flower ” …その夢見るような歌詞とサウンドです ♪
映画『リトル・ロマンス A Little Romance 』(1979)は…『明日に向かって撃て!』、『スティング』で知られるジョージ・ロイ・ヒル監督による青春映画の傑作です ♪ 今や名実ともに大女優のダイアン・レイン Diane Lane のデビュー作でもあります ♪ 私が最初に見始めた映画のひとつで、十代前半の主人公たちの初々しさと、老年のいぶし銀の名演技で脇をささえるローレンス・オリビエ Laurence Olivier の素晴らしさが今も記憶に深く刻まれています ♪ 音楽は、これまた 1960 年代のヌーベルバーグ Nouvelle Vague のフランス映画の数々から、のちには『ツインズ』、『フォー・エバー・フレンズ』などのハリウッド映画まで手掛けていく映画音楽の名作曲家 ジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue が担当…♪ 当時、欧米でベストセラーになっていた、作家パトリック・コーヴァンの小説を映画化したもので、パリで巡り逢い、惹かれ合った2人の少年少女が謎の老人から聞かされた伝説に導かれるように , 、ヴェニスのため息の橋の下でキスをして永遠の愛を誓おうとする…現代のおとぎ話 ♪ メインテーマには Vivaldi ヴィヴァルディのギター協奏曲の美しい緩徐楽章が使われて、みずみずしいロマンチックな雰囲気を醸し出しています ♪ この映画でアカデミー賞のオリジナル作曲賞も獲得しているジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue の作る…それ以外の音楽も、丁寧で職人的な佳曲ばかりで、映像と音楽が相まって楽しめるとても素敵な作品です ♪ この作品にふれるたびに、映画と音楽とのいちばん美しい関係について、いつも…ハッと気づかされるようです ♪