Steve Khan スティーブ・カーン…ジャズ·フュージョンのギタリストとして巨匠の位置にある長いキャリアの音楽家です ♪ 1970年代からセッションギタリストとして多く活躍して、Brecker Brothers の『Back To Back』(1976), Billy Joel の名盤『The Stranger 』や Steely Dan の 『Gaucho 』の録音などでも、そのしなやかなプレイを聴くことができますけれども…彼の真骨頂は、そんなメジャーのシーンから距離を置いて制作された『Evidence』(1980) での多重録音のギターサウンドによる Thelonious Monk の作品群のカバーなどを端緒に、さらに…ベースのAnthony Jackson、パーカッションの Manolo Badrena 、そしてドラマーの Steve Jordan (Charlie Watts 亡き後の The Rolling Stones をサポートしている…)らとともに結成したグループ〈Eyewitness〉での3枚にわたるアルバムに、大きな展開をみせます ♪ メンバーそれぞれの即興演奏を基本に…それらをグループのサウンドとして昇華させる…という方法は、Miles Davis などにも共通する、本質的なジャズとしてのアプローチを強く感じさせる、スリリングな魅力に満ちたものです ♪ 今はなくなってしまったライブハウス…東京の六本木ピットインでの、このグループの来日公演を記録したアルバム『Modern Tines モダン・タイムス』(1985) における演奏は、彼のユニークな音楽のエッセンスを存分に聴くことができます ♪ 私のフェイバリットナンバーは、オリジナルLPレコードのB面、パーカッションソロとのスリリングな掛け合いが展開する “ Penguin Village ”…です ♪
映画『リトル・ロマンス A Little Romance 』(1979)は…『明日に向かって撃て!』、『スティング』で知られるジョージ・ロイ・ヒル監督による青春映画の傑作です ♪ 今や名実ともに大女優のダイアン・レイン Diane Lane のデビュー作でもあります ♪ 私が最初に見始めた映画のひとつで、十代前半の主人公たちの初々しさと、老年のいぶし銀の名演技で脇をささえるローレンス・オリビエ Laurence Olivier の素晴らしさが今も記憶に深く刻まれています ♪ 音楽は、これまた 1960 年代のヌーベルバーグ Nouvelle Vague のフランス映画の数々から、のちには『ツインズ』、『フォー・エバー・フレンズ』などのハリウッド映画まで手掛けていく映画音楽の名作曲家 ジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue が担当…♪ 当時、欧米でベストセラーになっていた、作家パトリック・コーヴァンの小説を映画化したもので、パリで巡り逢い、惹かれ合った2人の少年少女が謎の老人から聞かされた伝説に導かれるように , 、ヴェニスのため息の橋の下でキスをして永遠の愛を誓おうとする…現代のおとぎ話 ♪ メインテーマには Vivaldi ヴィヴァルディのギター協奏曲の美しい緩徐楽章が使われて、みずみずしいロマンチックな雰囲気を醸し出しています ♪ この映画でアカデミー賞のオリジナル作曲賞も獲得しているジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue の作る…それ以外の音楽も、丁寧で職人的な佳曲ばかりで、映像と音楽が相まって楽しめるとても素敵な作品です ♪ この作品にふれるたびに、映画と音楽とのいちばん美しい関係について、いつも…ハッと気づかされるようです ♪