ユーミン…松任谷由実さんの、荒井由実の時代に発表されたファーストアルバム『ひこうき雲』は、それまでのフォークミュージックのものとは違う…新しいサウンドを提示したエポックメイキングな名作として語り継がれています ♪ レコーディングをサウンドの面で支える、細野晴臣さんを中心にした…キャラメル・ママ(のちのティン・パン・アレイへと発展する…)の紡ぎ出す洗練されたアレンジとともに、感性と情感にあふれた彼女のボーカルが全曲に展開していきます ♪ 彼女自身によっても語られているように、その作品には、季節や気候を感じさせる湿度…のようなものが歌のなかにさりげなく織り込まれ、聞いている私たちに…とても自然にそれをつたえてくれます ♪ “ ベルベット・イースター ” や、“ 雨の街を ”といった曲には、雲のたれ込めた朝の心象風景が、まるでフランス映画のワンシーンのように思い浮かびます ♪ 細やかな心理描写をメロディーとコード展開に巧みに昇華して表現する姿は、さすが…その後の現在にまで続く歌づくりの質の高さを予見させるようです ♪ サウンドの面からだけで見ても全曲必聴の内容ですが、やはり私のフェイバリットソングは、いままでお話ししてきたことをボサノヴァのサウンドに乗せて明瞭に感じさせてくれる… “ 曇り空 ” です ♪
映画『リトル・ロマンス A Little Romance 』(1979)は…『明日に向かって撃て!』、『スティング』で知られるジョージ・ロイ・ヒル監督による青春映画の傑作です ♪ 今や名実ともに大女優のダイアン・レイン Diane Lane のデビュー作でもあります ♪ 私が最初に見始めた映画のひとつで、十代前半の主人公たちの初々しさと、老年のいぶし銀の名演技で脇をささえるローレンス・オリビエ Laurence Olivier の素晴らしさが今も記憶に深く刻まれています ♪ 音楽は、これまた 1960 年代のヌーベルバーグ Nouvelle Vague のフランス映画の数々から、のちには『ツインズ』、『フォー・エバー・フレンズ』などのハリウッド映画まで手掛けていく映画音楽の名作曲家 ジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue が担当…♪ 当時、欧米でベストセラーになっていた、作家パトリック・コーヴァンの小説を映画化したもので、パリで巡り逢い、惹かれ合った2人の少年少女が謎の老人から聞かされた伝説に導かれるように , 、ヴェニスのため息の橋の下でキスをして永遠の愛を誓おうとする…現代のおとぎ話 ♪ メインテーマには Vivaldi ヴィヴァルディのギター協奏曲の美しい緩徐楽章が使われて、みずみずしいロマンチックな雰囲気を醸し出しています ♪ この映画でアカデミー賞のオリジナル作曲賞も獲得しているジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue の作る…それ以外の音楽も、丁寧で職人的な佳曲ばかりで、映像と音楽が相まって楽しめるとても素敵な作品です ♪ この作品にふれるたびに、映画と音楽とのいちばん美しい関係について、いつも…ハッと気づかされるようです ♪