ユーミン…松任谷由実さんの、荒井由実の時代に発表されたファーストアルバム『ひこうき雲』は、それまでのフォークミュージックのものとは違う…新しいサウンドを提示したエポックメイキングな名作として語り継がれています ♪ レコーディングをサウンドの面で支える、細野晴臣さんを中心にした…キャラメル・ママ(のちのティン・パン・アレイへと発展する…)の紡ぎ出す洗練されたアレンジとともに、感性と情感にあふれた彼女のボーカルが全曲に展開していきます ♪ 彼女自身によっても語られているように、その作品には、季節や気候を感じさせる湿度…のようなものが歌のなかにさりげなく織り込まれ、聞いている私たちに…とても自然にそれをつたえてくれます ♪ “ ベルベット・イースター ” や、“ 雨の街を ”といった曲には、雲のたれ込めた朝の心象風景が、まるでフランス映画のワンシーンのように思い浮かびます ♪ 細やかな心理描写をメロディーとコード展開に巧みに昇華して表現する姿は、さすが…その後の現在にまで続く歌づくりの質の高さを予見させるようです ♪ サウンドの面からだけで見ても全曲必聴の内容ですが、やはり私のフェイバリットソングは、いままでお話ししてきたことをボサノヴァのサウンドに乗せて明瞭に感じさせてくれる… “ 曇り空 ” です ♪
ブラジルポピュラー音楽を代表するシンガーソングライター…Ivan Lins♪その代表曲 “ Começar De Novo (コメサー·ヂ·ノーヴォ…新しくはじめよう…) ”は、作者本人のバージョンはもちろん…さまざまなカバーバージョンが存在します♪ ハーモニカの名手 Toots Theielmans の アルバム『The Brasil Project』 の Ivan 本人も歌う美しいバージョンは広く聴かれています♪ 私のお気に入りは 女性歌手 Simone の アルバム 『Pedaços』 の冒頭を飾る…凛とした輝きを感じさせ堂々と歌いあげるバージョン♪