Marvin Gaye マーヴィン・ゲイといえば、やはりいちばんには…アルバム『 What’s Going On 』(1971)のことが思い起こされます ♪ それまでのR&Bシンガーのスターとしての歩みも素晴らしいのにくわえて、シンガーソングライターとして全曲自身のオリジナル曲で発表された…そのエポックメイキングな内容は、アルバム制作のありようを考えるうえでも、今も大きな輝きを放ちつづけています ♪ 当時として画期的だったそのコンセプチュアルなアルバム構成を強く印象づける…オリジナルLPのA面に展開されるメドレーは、リリース後のライブでもほぼ再現されて、圧倒的なメッセージを聴くものに投げかけます ♪ 冒頭のタイトル曲 “ What’s Going On 愛のゆくえ ” は大ヒットして Mavin の代表曲となりましたし、アルバムの最後を飾る…街の貧困を歌った “ Inner City Blues ”も、R&Bのクラシックとなっています ♪ 当時のアメリカのベトナム戦争や環境問題へのメッセージのほかにも、ゴスペルソングの系譜を感じさせる “ God Is Love ”, “ Wholy Holly ” など…収録曲もバラエティーに富んでいて、かつ…サウンドの面からも、とても音楽的な感興を抱かせるあざやかな転調をふくんでいたり…と、そのチェックポイントには枚挙にいとまがありません ♪ 私の個人的なフェイバリットソングは、延々と転調を展開する2曲目の“ What’s Happening Brother ”ですが、現在でもつづく環境問題をその優しく美しいボーカルにのせて歌う“ Mercy Mercy Me ”も大好きな1曲 です ♪ 1984年に、父との口論の際に銃殺されるというショッキングな最期をむかえてしまったのが…本当に残念です ♪ Jazz Fusionの今や伝説の名グループ Weather Report ウェザー・リポートが1985年のアルバム『 Sportin’ Life 』で、タイトル曲 “ What’s Going On 愛のゆくえ ”をカバーしているのも、この素晴らしい才能をもった Marvin への追悼の意味があったのだと思います ♪
映画『リトル・ロマンス A Little Romance 』(1979)は…『明日に向かって撃て!』、『スティング』で知られるジョージ・ロイ・ヒル監督による青春映画の傑作です ♪ 今や名実ともに大女優のダイアン・レイン Diane Lane のデビュー作でもあります ♪ 私が最初に見始めた映画のひとつで、十代前半の主人公たちの初々しさと、老年のいぶし銀の名演技で脇をささえるローレンス・オリビエ Laurence Olivier の素晴らしさが今も記憶に深く刻まれています ♪ 音楽は、これまた 1960 年代のヌーベルバーグ Nouvelle Vague のフランス映画の数々から、のちには『ツインズ』、『フォー・エバー・フレンズ』などのハリウッド映画まで手掛けていく映画音楽の名作曲家 ジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue が担当…♪ 当時、欧米でベストセラーになっていた、作家パトリック・コーヴァンの小説を映画化したもので、パリで巡り逢い、惹かれ合った2人の少年少女が謎の老人から聞かされた伝説に導かれるように , 、ヴェニスのため息の橋の下でキスをして永遠の愛を誓おうとする…現代のおとぎ話 ♪ メインテーマには Vivaldi ヴィヴァルディのギター協奏曲の美しい緩徐楽章が使われて、みずみずしいロマンチックな雰囲気を醸し出しています ♪ この映画でアカデミー賞のオリジナル作曲賞も獲得しているジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue の作る…それ以外の音楽も、丁寧で職人的な佳曲ばかりで、映像と音楽が相まって楽しめるとても素敵な作品です ♪ この作品にふれるたびに、映画と音楽とのいちばん美しい関係について、いつも…ハッと気づかされるようです ♪