1964年リリースのアルバム『Getz/Gelbert ゲッツ/ジルベルト』のヒットがボサ・ノヴァ Bossa Nova の世界的な流行を決定づけたことは…よく知られている事実です ♪ そして…その立役者の重要な1人が、当時 João Gelbert ジョアン·ジルベルトの妻だった… Astrud Gelbert アストラッド・ジルベルトです ♪ Astrud が このアルバムのAB両面の最初の曲… “ Garota de Ipanéma イパネマの娘 ” と “ Corcovado コルコヴァード ” を英語の歌詞で歌ったことが、ボサ・ノヴァ Bossa Nova の音楽が世界に広がりをみせるきっかけとなったのはまちがいありません ♪ João の歌とギター、ほぼすべての曲の作曲者 Antonio Carlos Jobim アントニオ・カルロス・ジョビンのピアノ、そしてジャズ·テナー·サックスの名手… Stan Getz スタン・ゲッツの流麗なプレイをともなって展開するサウンドは、ブラジルポピュラー音楽とジャズ·ミュージックの幸せなマリアージュ Marriage というべきもので…真にエバーグリーンな音楽です ♪ そして…その Astrud がこの翌年に Jobim と録音する 『The Astrud Gelbert Album (邦題=おいしい水)』 も見逃せない名アルバムで…全編をとおしてボサ・ノヴァ Bossa Nova の名曲の典型的な歌いかたを形づくりました ♪ 2枚とも全曲スタンダードと言える、ぜひ聴いていただきたいアルバムですけれども…そのなかから、私のおすすめは…彼女のアルバム『おいしい水』に収められた、Jobim のまちかいなく最高傑作のひとつといえる…“Insensatez インセンサテス” を英語の歌詞で歌った“ How Insensitive ” です ♪
映画『リトル・ロマンス A Little Romance 』(1979)は…『明日に向かって撃て!』、『スティング』で知られるジョージ・ロイ・ヒル監督による青春映画の傑作です ♪ 今や名実ともに大女優のダイアン・レイン Diane Lane のデビュー作でもあります ♪ 私が最初に見始めた映画のひとつで、十代前半の主人公たちの初々しさと、老年のいぶし銀の名演技で脇をささえるローレンス・オリビエ Laurence Olivier の素晴らしさが今も記憶に深く刻まれています ♪ 音楽は、これまた 1960 年代のヌーベルバーグ Nouvelle Vague のフランス映画の数々から、のちには『ツインズ』、『フォー・エバー・フレンズ』などのハリウッド映画まで手掛けていく映画音楽の名作曲家 ジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue が担当…♪ 当時、欧米でベストセラーになっていた、作家パトリック・コーヴァンの小説を映画化したもので、パリで巡り逢い、惹かれ合った2人の少年少女が謎の老人から聞かされた伝説に導かれるように , 、ヴェニスのため息の橋の下でキスをして永遠の愛を誓おうとする…現代のおとぎ話 ♪ メインテーマには Vivaldi ヴィヴァルディのギター協奏曲の美しい緩徐楽章が使われて、みずみずしいロマンチックな雰囲気を醸し出しています ♪ この映画でアカデミー賞のオリジナル作曲賞も獲得しているジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue の作る…それ以外の音楽も、丁寧で職人的な佳曲ばかりで、映像と音楽が相まって楽しめるとても素敵な作品です ♪ この作品にふれるたびに、映画と音楽とのいちばん美しい関係について、いつも…ハッと気づかされるようです ♪