モダンジャズの帝王 Miles Davis マイルズ·デイヴィス…の1950年代後半の活動は、まさに掛け値なしの黄金時代と言ってまちがいないものです ♪ それまでの Prestige プレステージレコードから Columbia コロンビアレコードへと移籍して発表されたアルバム 『 'Round About Midnight 』(1956) は、そのサングラスとトランペットを伴った写真とともにモダンジャズのもっとも知られたレコードジャケットのひとつです ♪ この作品のリリースを皮切りに…以後コロンビアレコードから出されたアルバムはすべて必聴といえる…ジャズの歴史の軸をかたちづくる重要な作品群となっています ♪ 〈モードジャズ〉と言われる…フランス近代音楽の響きとも呼応するような Miles 独特のサウンド展開がエポックメイキングな内容となっているアルバム『 Kind Of Blue 』(1958) は、今も…名手 Bill Evans のあまりに美しくリリカルなピアノプレイとともに孤高のかがやきを放っています ♪ レの旋法(ドレミファソラシド…ではなくて、レミファソラシドレ…という音階)〈ドリアンモード Dorian Mode 〉による Blues ブルースと言える名曲 “ So What ” で幕をあけるアルバムは全編に文字通りの〈青の種類〉をならべて聴かせるような…透徹したサウンドで満たされています ♪ そんなアルバムのテイストをしめくくる終曲 “ Flamenco Sketches ” は…まるで永遠に終わらないかもしれない、とさえ感じさせる…深く美しい〈青い〉いろどりを聴くもののこころに響かせてくれます ♪
映画『リトル・ロマンス A Little Romance 』(1979)は…『明日に向かって撃て!』、『スティング』で知られるジョージ・ロイ・ヒル監督による青春映画の傑作です ♪ 今や名実ともに大女優のダイアン・レイン Diane Lane のデビュー作でもあります ♪ 私が最初に見始めた映画のひとつで、十代前半の主人公たちの初々しさと、老年のいぶし銀の名演技で脇をささえるローレンス・オリビエ Laurence Olivier の素晴らしさが今も記憶に深く刻まれています ♪ 音楽は、これまた 1960 年代のヌーベルバーグ Nouvelle Vague のフランス映画の数々から、のちには『ツインズ』、『フォー・エバー・フレンズ』などのハリウッド映画まで手掛けていく映画音楽の名作曲家 ジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue が担当…♪ 当時、欧米でベストセラーになっていた、作家パトリック・コーヴァンの小説を映画化したもので、パリで巡り逢い、惹かれ合った2人の少年少女が謎の老人から聞かされた伝説に導かれるように , 、ヴェニスのため息の橋の下でキスをして永遠の愛を誓おうとする…現代のおとぎ話 ♪ メインテーマには Vivaldi ヴィヴァルディのギター協奏曲の美しい緩徐楽章が使われて、みずみずしいロマンチックな雰囲気を醸し出しています ♪ この映画でアカデミー賞のオリジナル作曲賞も獲得しているジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue の作る…それ以外の音楽も、丁寧で職人的な佳曲ばかりで、映像と音楽が相まって楽しめるとても素敵な作品です ♪ この作品にふれるたびに、映画と音楽とのいちばん美しい関係について、いつも…ハッと気づかされるようです ♪