記憶と音楽の関係については…かねてからさまざまな結びつきのありかたが語られています ♪ ある曲を聴いたときに、かつてそれを聴いたときの自分のシチュエーション = 状況や場面が結びついて思い出される…というのはよくあることで、音楽が〈ひとの記憶〉と深く関係しているのはまぎれもない真実だと思います ♪ そのうえで、さらに思うのは…「では…好きでくりかえし毎日のように聴く音楽と記憶との関係はどうなっていくのだろう?」ということ ♪ その音楽を聴いたときに思い出される〈記憶〉が、くりかえし日々聴きかえすうちになんだか薄まっていってしまうのだろうか?…ひと頃、よく考えたりしていたことです ♪ 自分なりの結論は…結局そんなことはなくて、その音楽を聴いたときの記憶はどんどん重なりあって堆積していく…つまり地層のように〈つもって〉ふえていくだけで、決して薄まったりすることはないのだ…ということ ♪ その音楽と結びついている、いちばんつよい記憶は…いちばんつよいまま呼び起されますし、くりかえし聴くことで薄まったりすることもない…と、私には思えます ♪ 幼いころや十代のころに…たいせつなひとたちと聴いた〈かけがえのない〉音楽は…同じように〈かけがえのない〉その思い出と深く…そしてつよく結びついて、聴くたびにくりかえし〈こころの琴線〉をふるわせてくれます ♪ (とりとめのない話シリーズ…♪)
映画『リトル・ロマンス A Little Romance 』(1979)は…『明日に向かって撃て!』、『スティング』で知られるジョージ・ロイ・ヒル監督による青春映画の傑作です ♪ 今や名実ともに大女優のダイアン・レイン Diane Lane のデビュー作でもあります ♪ 私が最初に見始めた映画のひとつで、十代前半の主人公たちの初々しさと、老年のいぶし銀の名演技で脇をささえるローレンス・オリビエ Laurence Olivier の素晴らしさが今も記憶に深く刻まれています ♪ 音楽は、これまた 1960 年代のヌーベルバーグ Nouvelle Vague のフランス映画の数々から、のちには『ツインズ』、『フォー・エバー・フレンズ』などのハリウッド映画まで手掛けていく映画音楽の名作曲家 ジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue が担当…♪ 当時、欧米でベストセラーになっていた、作家パトリック・コーヴァンの小説を映画化したもので、パリで巡り逢い、惹かれ合った2人の少年少女が謎の老人から聞かされた伝説に導かれるように , 、ヴェニスのため息の橋の下でキスをして永遠の愛を誓おうとする…現代のおとぎ話 ♪ メインテーマには Vivaldi ヴィヴァルディのギター協奏曲の美しい緩徐楽章が使われて、みずみずしいロマンチックな雰囲気を醸し出しています ♪ この映画でアカデミー賞のオリジナル作曲賞も獲得しているジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue の作る…それ以外の音楽も、丁寧で職人的な佳曲ばかりで、映像と音楽が相まって楽しめるとても素敵な作品です ♪ この作品にふれるたびに、映画と音楽とのいちばん美しい関係について、いつも…ハッと気づかされるようです ♪