想像 Imagination…というのは、あらゆる芸術にとって、もっとも大切な要素のひとつだと思えます ♪ 日本語の場合、〈想像=創造 Creation 〉と同音異義語になっていることも、なにやら意味深に感じられます ♪ 作曲や編曲において、まずはなにより…この〈 想像する Imagine 〉ということから、すべての作業が始まります ♪ 亡くなった私の作曲の恩師が「いちばん大切なのは“ 楽想 ”…」だと話してくれたことや、Mozart モーツァルトの半生を、まさに想像力豊かに描いた映画『アマデウス』で、主人公の Salieri サリエリが Mozart の書いた楽譜を見て「書き直した跡がない…書く前にアタマのなかで出来上がっているのだ…」と言って感じ入るシーンを思い出しますけれども、自分自身のことで言うと…完成しているというよりは、想像できている大きなイメージ Image があって、それを現実の演奏のために楽譜などに落とし込む…というのが実際のところです ♪ 美術や文学の分野でもいえることだと思いますけれども、この…事前に〈アタマのなかにある大きなイメージ〉というのは、実際の音や演奏の限界を超えているようなこともしばしばで、それを泣く泣く…楽器や人間の演奏能力の可能性の制約のなかで折り合いをつけて具体的に表現する、というのが〈作リ手の仕事〉になるのだと思います ♪ この想像=イメージ Imagine をしているときは、なにものにもとらわれず…まるで全宇宙をかけまわっているような感覚にも似た、本当にこころからの自由を感じられる…とてもしあわせな(つらく、かなしい…こともありますけれども…)気持ちになります ♪ このイメージ Imagine が自分にとって〈いい〉と思えれば思えるほど…あとにつづく譜面書きやコンピューターなどによる作業の大変さにも、なんとかその仕上げにむけて耐えることができるのです ♪ (とりとめのない話…作曲編曲編?)
映画『リトル・ロマンス A Little Romance 』(1979)は…『明日に向かって撃て!』、『スティング』で知られるジョージ・ロイ・ヒル監督による青春映画の傑作です ♪ 今や名実ともに大女優のダイアン・レイン Diane Lane のデビュー作でもあります ♪ 私が最初に見始めた映画のひとつで、十代前半の主人公たちの初々しさと、老年のいぶし銀の名演技で脇をささえるローレンス・オリビエ Laurence Olivier の素晴らしさが今も記憶に深く刻まれています ♪ 音楽は、これまた 1960 年代のヌーベルバーグ Nouvelle Vague のフランス映画の数々から、のちには『ツインズ』、『フォー・エバー・フレンズ』などのハリウッド映画まで手掛けていく映画音楽の名作曲家 ジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue が担当…♪ 当時、欧米でベストセラーになっていた、作家パトリック・コーヴァンの小説を映画化したもので、パリで巡り逢い、惹かれ合った2人の少年少女が謎の老人から聞かされた伝説に導かれるように , 、ヴェニスのため息の橋の下でキスをして永遠の愛を誓おうとする…現代のおとぎ話 ♪ メインテーマには Vivaldi ヴィヴァルディのギター協奏曲の美しい緩徐楽章が使われて、みずみずしいロマンチックな雰囲気を醸し出しています ♪ この映画でアカデミー賞のオリジナル作曲賞も獲得しているジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue の作る…それ以外の音楽も、丁寧で職人的な佳曲ばかりで、映像と音楽が相まって楽しめるとても素敵な作品です ♪ この作品にふれるたびに、映画と音楽とのいちばん美しい関係について、いつも…ハッと気づかされるようです ♪