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Cello チェロ…はとても魅力にあふれた楽器です ♪ 西欧のクラシック音楽ではアンサンブルに欠かせない楽器といってよく、オーケストラ音楽においても、少人数による室内楽においても、サウンドのベースとなる中低音域を担います ♪ モダンジャズなどのドラムを伴った〈コンボ〉といわれるバンドサウンドではさらに低音域を出すコントラバス (= ウッドベース ) がベースを担いますが、チェロはより小回りがきいて…男声の低音域 = バスの音域からバリトンやテノールにあたる音域まで男声のすべての音域をカバーします ♪ 4 本の弦なかの一番高い音の弦を弾くときの美しい音は、曲のメロディーを本当に魅力的に表現します ♪ オーケストラと演奏する『チェロ協奏曲』にかぎってみても、ハイドン Haydn 、シューマン Shumann 、ドボルザーク Dovorak  によるものから、その演奏技巧が飛躍的に発展して、チェロのための多くの曲が作曲されるようになった 20 世紀… 1900 年代に入ってからの近代フランスのミヨー  Mihaud  によるものまで、多くの作品が作曲され、さらにはクラシックのたくさんの室内楽の名曲の中でも美しいフレーズにこと欠きません ♪ 独奏曲として演奏されるものでは、バッハ Bach による『無伴奏チェロ組曲』は多くの名チェリストが演奏し、素晴らしい録音も多く残しています ♪ ボサノヴァ Bossa Nova  の代表的な作曲家 Antonio Carlos Jobim  のバンドに在籍していた Jaques Morelembaum ジャキス・モレレンバウム のチェロの演奏は、ボサノヴァにおけるチェロのサウンドのマスターピースにもなっています ♪ 私のオススメは…数々の名曲を、  Jaques のチェロをふくむ バンドで、たっぷりと聴くことのできるJobimのアルバム『 Inedito( イネーヂト=未発表曲集 ) 』です ♪
1964年リリースのアルバム『Getz/Gelbert ゲッツ/ジルベルト』のヒットがボサ・ノヴァ Bossa Nova の世界的な流行を決定づけたことは…よく知られている事実です ♪ そして…その立役者の重要な1人が、当時  João Gelbert ジョアン·ジルベルトの妻だった…  Astrud Gelbert アストラッド・ジルベルトです ♪  Astrud が このアルバムのAB両面の最初の曲… “ Garota de  Ipanéma イパネマの娘 ” と “ Corcovado コルコヴァード ” を英語の歌詞で歌ったことが、ボサ・ノヴァ Bossa Nova の音楽が世界に広がりをみせるきっかけとなったのはまちがいありません ♪ João の歌とギター、ほぼすべての曲の作曲者 Antonio Carlos Jobim アントニオ・カルロス・ジョビンのピアノ、そしてジャズ·テナー·サックスの名手… Stan Getz スタン・ゲッツの流麗なプレイをともなって展開するサウンドは、ブラジルポピュラー音楽とジャズ·ミュージックの幸せなマリアージュ Marriage というべきもので…真にエバーグリーンな音楽です ♪ そして…その Astrud がこの翌年に Jobim と録音する 『The Astrud Gelbert Album (邦題=おいしい水)』 も見逃せない名アルバムで…全編をとおしてボサ・ノヴァ Bossa Nova の名曲の典型的な歌いかたを形づくりました ♪ 2枚とも全曲スタンダードと言える、ぜひ聴いていただきたいアルバムですけれども…そのなかから、私のおすすめは…彼女のアルバム『おいしい水』に収められた、Jobim のまちかいなく最高傑作のひとつといえる…“Insensatez インセンサテス” を英語の歌詞で歌った“ How  Insensitive ” です ♪
Marvin Gaye マーヴィン・ゲイといえば、やはりいちばんには…アルバム『 What’s Going On 』(1971)のことが思い起こされます ♪ それまでの R&B シンガーのスターとしての歩みも素晴らしいのにくわえて、シンガーソングライターとして全曲自身のオリジナル曲で発表された…そのエポックメイキングな内容は、アルバム制作のありようを考えるうえでも、今も大きな輝きを放ちつづけています ♪ 当時として画期的だったそのコンセプチュアルなアルバム構成を強く印象づける…オリジナル LP の A 面に展開されるメドレーは、リリース後のライブでもほぼ再現されて、圧倒的なメッセージを聴くものに投げかけます ♪ 冒頭のタイトル曲 “ What’s Going On  愛のゆくえ ” は大ヒットして  Mavin  の代表曲となりましたし、アルバムの最後を飾る…街の貧困を歌った “ Inner City Blues ”も、 R&B のクラシックとなっています ♪ 当時のアメリカのベトナム戦争や環境問題へのメッセージのほかにも、ゴスペルソングの系譜を感じさせる “ God Is Love ” , “ Wholy Holly ” など…収録曲もバラエティーに富んでいて、かつ…サウンドの面からも、とても音楽的な感興を抱かせるあざやかな転調をふくんでいたり…と、そのチェックポイントには枚挙にいとまがありません ♪ 私の個人的なフェイバリットソングは、延々と転調を展開する 2 曲目の“ What’s Happening Brother ”ですが、現在でもつづく環境問題をその優しく美しいボーカルにのせて歌う“ Mercy Mercy Me ”も大好きな1曲 です ♪  1984 年に、父との口論の際に銃殺されるというショッキングな最期をむかえてしまったのが…本当に残念です ♪ Jazz Fusion の今や伝説の名グループ Weather Report ウェザー・リポートが 1985 年のアルバム『 Sportin’ Life 』で、タイトル曲 “ What’s Going On  愛のゆくえ ”をカバーしているのも、この素晴らしい才能をもった Marvin への追悼の意味があったのだと思います ♪
Astor Piazzolla アストル・ピアソラ の… Nuevo Tango(ヌエボ·タンゴ =  新タンゴ…の意 ) といわれる、その音楽を聴きはじめたのはジャズギターの修行をしていた高校生の頃で、当時ブームを巻き起こしていた 1983 年のウィーンでのライブ盤が最初でした ♪ Tango タンゴというカテゴリーの音楽自体がとても専門的なことにくわえて、 Piazzolla ピアソラの音楽は、その伝統的な Tango タンゴに新風を吹き込んだ作風で知られていて、「なんだこの音楽は ? 」という衝撃が…聴いて最初に受けた印象です ♪ けれども…自分がクラシック音楽の勉強を続けていたこともプラスに働いて、その作品がヨーロッパのクラシック音楽の形式や JAZZ のエッセンスを巧みに採り入れて作られているのが聴きとれてくると、高い技術を伴った楽団の演奏をつうじて…そのオリジナリティー豊かな音楽にじわじわと魅了されていきました ♪ Piazzolla ピアソラが亡くなってしまった現在でも、クラシックの演奏家をふくめて多くの音楽家がその作品をとりあげて演奏しているのは、その音楽がやはり普遍的な大きな魅力をそなえているからでしょう ♪ とにかくその当時の五重奏団の  Piazzolla ピアソラをはじめ…構成メンバーそれぞれの演奏が素晴らしく、力強いビートとアンサンブル、そして Piazzolla ピアソラのバンドネオンとともに、ヴァイオリンの名手 Fernando Suárez Paz フェルナンド・スアレス・パスの奏でるしなやかなメロディーのラインには、今も変わらず心を奪われます ♪ 以前から自分自身でもヴァイオリニストなどとともに演奏している代表曲 , ヒット曲とも言える“ Libertango リベルタンゴ ” , “ Oblivion 忘却 ”など…どの作品も、深くこころに響くそのサウンドは音楽のエネルギーに満ちています ♪ 私にとってやはりいちばんの曲は…父との死別に際して書かれたという今ひとつの代表曲“ Adios Nonino  アディオス・ノニーノ ”です ♪
映画『 明日に向かって撃て! Butch Cassidy And Sundance Kid 』(1969年公開)は、ポール・ニューマンとロバート・レッドフォード、そしてヒロインのキャサリン・ロス… 3 人の名優たちの素晴らしい演技とともに、記憶にも記録にも残るアメリカン・ニューシネマを代表する傑作ですが、今ひとつ…そのなかで、やはり記憶と記録に残る名曲といえるのが  Burt Bacharach  バート・バカラック作曲=  Hal David  ハル・デヴィッド作詞の挿入曲 “ Raindrops Keep Fallin' On My Head 雨にぬれても ” です ♪ 映画の切ない展開をも象徴するようなロマンティックな歌詞と、自転車を二人乗りするポール・ニューマンとキャサリン・ロスの…ミュージック・ビデオさながらのとても美しいシーンと相まって  Burt Bacharach  バート・バカラックの残した数多くの名曲のなかでも、ひときわ印象的な作品といえます ♪ 当初から歌手を誰にするかでは紆余曲折があったようですが、 B.J.Thomas = B ・ J ・トーマスの代表曲になったことはまぎれもない事実です ♪ そのシングル・レコードはアカデミー主題歌賞を獲得してゴールドディスクにもなりました ♪ ラジオなどでもよくかかって聞く機会も多い曲ですが、映画のなかでは…マーチングバンド風のインストルメンタルの演奏が付随していて、映画のシーンとのマッチングが素晴らしいことから、やっぱりこの曲を映画のなかで聴きたいと思って…つい初めから全部観てしまう、ということになってしまいます ♪ 魅力的なメロディーとコード展開、そしてフェードアウトの変拍子風のリフレインの洒脱さもふくめて、彼の作風のエッセンスがさりげなくつつみこまれた、 Burt Bacharach  バート・バカラックの代表作というのにふさわしい…名曲です ♪
ひとは誰でも 1 つ…楽器をもっています ♪ それが〈 声 Voice 〉です ♪ そして声は、生まれながらにして、ひとそれぞれその高さが決められている…サックス Sax などと似た、いわゆる〈移調楽器〉のようなもので、おなじ曲でも…歌うひとによって歌いやすい〈 調 = Key  キー 〉が微妙にちがってくるために、たとえば…どのカラオケでもたいていは  Key キー の調整ができるようになっています ♪ 〈 調  = Key  キー 〉というのは、以前にこのブログの Bach バッハについてのお話しのときに少しふれましたが、鍵盤 1 つぶん=半音を目盛にして 1 オクターブのなかで 12 コに均等に切り分けられていて、歌うひとは、特にポピュラー音楽では…その中でいちばん自分の声にあった〈 調  = Key  キー 〉を選んで歌うことになります ♪ この半音のひと目盛…というのは実際、意外と広い間隔があるもので、曲を半音だけ移調しても随分高さが変わるものだな…というのは、カラオケなどでも実感できることだと思います ♪ 自分がライブなどで歌うときも…その曲の調については、とことん考えぬいています ♪ 高すぎず、低すぎず…いちばんよく歌える〈 調  = Key  キー 〉をさがして何度も歌ってみて、決めていきます ♪ 有名な曲の場合…多くの人がそのオリジナルの〈 調  = Key  キー 〉に耳が慣れていることから、それを考えて…移調しないで歌うこともあります ♪ 〈 調  = Key  キー 〉を移調した場合、当然…一緒に演奏する楽器も移調して演奏することになるわけで、それがピアノにしろギターしろ…コードの押さえ方をふくめて演奏のしかたも変わってきますから結構大変です ♪ でもそんなこんなで、ぴったりとあった〈 調  = Key  キー 〉にめぐり合えて気持ちよく歌えたときには、そんなさまざまな苦労も忘れてしまうほどの充実感を味わうことができます ♪  ( 〈歌〉の…よもやま話 )
The Beatles ザ·ビートルズの音楽に最初にふれたのはラジオから流れる“ Hey Jude ”を聞いた 3 〜 4 歳の頃のことで…〈 Na Na Na Na …〉のリフレインがとても長かったのをよく覚えています ♪  その後、中学に入る頃には『 The Beatles Ballads 』と題されたコンピレーションのアルバムで “ Yesterday ” , “ Nowhere  Man ” , “ Here Comes The Sun ” …といった名曲には親しんでいました ♪ 当時も LP レコードはとても高価で、 George Harrison  による選曲として知られる…青盤そして赤盤のコンピレーションを聴くのが精一杯、という状況でした ♪ 徐々にアルバム単位で聴く曲の数も増えていきましたが、その全体像をとらえられたのはティーンエイジの終わりくらいの時期だった気がします ♪ 自分自身でも…年代によって曲の嗜好が変わってもくるのも事実ですが、今でも変わらず心引かれる曲のテイストはあまり変わっていない気もします ♪ Paul McCartney  のソングライティングの素晴らしさを感じさせる“ For No One  ” , “ And I Love Her ” , “ Here There And Everywhere ” や、同じく素晴らしい  John Lennon  の “  Help  ” , “ In My Life ” , “  Strawberry Fields Forever  ”…などは今でもフェイバリットソングです ♪ 映画『 Get Back 』としても記録された  Paul の最初のワールドツアーで改めてその素晴らしい演奏(とくにオリジナルのレコーディングでの Ringo Starr のドラミング…)を再認識させられたアルバム『 Abbey Road 』のラストを飾る“ The End ”に至るメドレーや、映画『 Let It Be 』や『 Imagine  イマジン』で観ることが出来る… John  の作品 “  Don’t Let Me Down  ” の印象的な屋...
 いつもお読みいただきありがとうございます♪ このブログの筆者…シコとん高橋まさゆき ♪ …音楽家 ♪ たかはしまさゆき ♪ の ライブのお知らせです♪ コロナ禍がようやく明け… ライブ活動を再開しています ♪ 7月18日 [金] 本厚木  ライブハウス 『CABIN』 https://www.cabinatsugi.com/2025-07  にて 19:30〜スタート ♪  Music Charge ¥4,000 + 1 Order (+ Menuより1つご注文をしていただきます) ♪ たかはしまさゆき ♪ Guitar, Piano, & Vocal 10数年来のトリオグループ ♪ TONICA NOVA ♪ として アンサンブルを練り上げてきた 中林成爾 Cello 三島博行 Drums とともに… オリジナル曲も交えて ボサノバ、サンバ、ジャズの 夢幻のサウンドをお送りします♪ ぜひ楽しんで聞いていただけたら… とてもうれしいです♪ お店のほうで…ご予約を承っております♪ くわしくは上記、お店のHPをご覧ください♪ みなさまのご来場を心よりお待ち申し上げます♪
ユーミン…松任谷由実さんの、荒井由実の時代に発表されたファーストアルバム『ひこうき雲』は、それまでのフォークミュージックのものとは違う…新しいサウンドを提示したエポックメイキングな名作として語り継がれています ♪ レコーディングをサウンドの面で支える、細野晴臣さんを中心にした…キャラメル・ママ ( のちのティン・パン・アレイへと発展する… ) の紡ぎ出す洗練されたアレンジとともに、感性と情感にあふれた彼女のボーカルが全曲に展開していきます ♪ 彼女自身によっても語られているように、その作品には、季節や気候を感じさせる湿度…のようなものが歌のなかにさりげなく織り込まれ、聞いている私たちに…とても自然にそれをつたえてくれます ♪ “ ベルベット・イースター ” や、“ 雨の街を ”といった曲には、雲のたれ込めた朝の心象風景が、まるでフランス映画のワンシーンのように思い浮かびます ♪ 細やかな心理描写をメロディーとコード展開に巧みに昇華して表現する姿は、さすが…その後の現在にまで続く歌づくりの質の高さを予見させるようです ♪ サウンドの面からだけで見ても全曲必聴の内容ですが、やはり私のフェイバリットソングは、いままでお話ししてきたことをボサノヴァのサウンドに乗せて明瞭に感じさせてくれる… “ 曇り空 ” です ♪
キリンがサバンナにたたずむジャケットで知られている  Antonio Carlos Jobim アントニオ・カルロス・ジョビンのアルバム『 WAVE 』 (1967) は、ボサノヴァ Bossa Nova をベースにした、いわゆるクロスオーバーと言われるような、そのジャンル横断的なサウンドが…その後の Jazz Fusion  ジャズ・フュージョンのカテゴリーの音楽の発展に大きく影響を与えた作品です ♪ ピアニスト、 Bill Evans とのコラボレーションでも知られる名アレンジャー、 Claus Ogerman (クラウス・オガーマン)によってスマートに編曲された第1曲の“ Wave ”から終曲の“ Captain Bacardi ”まで…よどみなく流れるそのサウンドは、 BGM として最上級のものであると同時に…音楽的に、とても深い内容を聴きとることができます ♪ Jobim 本人の歌声が聴ける“ Lament ( ラメント )“ の貴重なバージョンや、同じくスタンダードになっている“ Triste ( トリスチ ) ”など…決定版といえる演奏が全編を優しく彩る…まさにボサノヴァ Bossa Nova の象徴的な作品の 1 つです ♪ このアルバムのなかの私のフェーバリットソングは、名手 Raul de Souza ( ラウル・ジ・スーザ ) のトロンボーンによる悠々としたメロディーが印象的な“ Look  To The Sky  ”です ♪
George Benson ジョージ・ベンソン  のライブアルバム『 Weekend In L.A. 』 (1978) は私のもっとも愛するアルバムの 1 つです ♪ リズム、音色ともに優れたギタリストであり、歌い手であり、バンドリーダーでもある彼の魅力が最高のかたちで記録された作品です♪ このアルバムを聴くたびに、このときの  Benson  のバンドが本当に最高の状態にあったことを感じさせます ♪ ドラムの  Harvey Maison  のしなやかなドラミングが全編を彩り、ほかのメンバーそれぞれも抜群のセンスを感じさせるインタープレイを展開…レコード 2 枚分の内容をまったく飽きさせません ♪ このアルバムの中なかからはベスト R&B ボーカルのグラミーを獲得する“ On Broardway ”のヒットが生まれています ♪ 初夏の爽やかにそよぐ風のようなサウンドから、ワクワクさせるような夜の都会のざわめき、そしてクールで、はりつめた空気をみなぎらせた明け方のハイウェイを感じさせるサウンドまで、心を揺さぶる Soul スピリット を伴ってバラエティ豊かに展開する極上の時間のなかで…私のお気に入りは、なんと言ってもやっぱり…その冒頭を飾るタイトルナンバー “ Weekend In L.A. メローなロスの週末 ” です ♪