南佳孝さん…の音楽に初めてふれたのは10代前半の頃で、世代的にも映画の主題歌としてヒットした “ スローなブギにしてくれ ”がきっかけです ♪ 当時としても珍しいピアノ弾き語りで歌うブルージーな歌が鮮烈な印象でした ♪ そののち、過去の作品…日本のポピュラー音楽シーンのエポックメイキングな名作として名高い『摩天楼のヒロイン』までのすべてのアルバムをさかのぼって聴くなかで、そのオリジナリティに富んだ作曲と坂本龍一さんをはじめとするレコーディングプロジェクトのアレンジの質の高さに魅了され、今もその数々の佳曲を聴き続けています ♪ “ モンロー·ウォーク ” や “ スタンダード·ナンバー ” といったスタンダードとして知られるヒット曲にとどまらず、まるでラテンミュージックを旅して歩くような作風の彩りは唯一無二の魅力です ♪ 傑作アルバム『 South Of The Border 』(1978) には、全曲そんな彼の魅力がちりばめられています ♪ ユーミンさんの作詞による名曲 “ 日付変更線 ” 、代表的な佳曲といえる “ 夜間飛行 ”…そしてもう一曲、坂本龍一さんの万華鏡を覗くようなめくるめくアレンジのイントロに導かれてアルバムのラストを飾る “ 終末(おわり)のサンバ ” まで全編…どの曲のどんな場面もが聴きどころです ♪
映画『リトル・ロマンス A Little Romance 』(1979)は…『明日に向かって撃て!』、『スティング』で知られるジョージ・ロイ・ヒル監督による青春映画の傑作です ♪ 今や名実ともに大女優のダイアン・レイン Diane Lane のデビュー作でもあります ♪ 私が最初に見始めた映画のひとつで、十代前半の主人公たちの初々しさと、老年のいぶし銀の名演技で脇をささえるローレンス・オリビエ Laurence Olivier の素晴らしさが今も記憶に深く刻まれています ♪ 音楽は、これまた 1960 年代のヌーベルバーグ Nouvelle Vague のフランス映画の数々から、のちには『ツインズ』、『フォー・エバー・フレンズ』などのハリウッド映画まで手掛けていく映画音楽の名作曲家 ジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue が担当…♪ 当時、欧米でベストセラーになっていた、作家パトリック・コーヴァンの小説を映画化したもので、パリで巡り逢い、惹かれ合った2人の少年少女が謎の老人から聞かされた伝説に導かれるように , 、ヴェニスのため息の橋の下でキスをして永遠の愛を誓おうとする…現代のおとぎ話 ♪ メインテーマには Vivaldi ヴィヴァルディのギター協奏曲の美しい緩徐楽章が使われて、みずみずしいロマンチックな雰囲気を醸し出しています ♪ この映画でアカデミー賞のオリジナル作曲賞も獲得しているジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue の作る…それ以外の音楽も、丁寧で職人的な佳曲ばかりで、映像と音楽が相まって楽しめるとても素敵な作品です ♪ この作品にふれるたびに、映画と音楽とのいちばん美しい関係について、いつも…ハッと気づかされるようです ♪