“ パッヘルベルのカノン ” は…西欧クラシック音楽のポピュラーな名曲のなかでも一番古い時代に書かれた作品のひとつです ♪ 原曲ではニ長調のメロディ… 旋律が〈順次進行 Conjunct Motion ( = となりの音に順番に進んで動いていくこと…)〉して繰り返していくハーモニーの構造は、その後の多くの音楽作品の…いわゆる〈ひな型 Template 〉 としての役割を担っていきました ♪ ロックミュージックをふくめたポピュラー音楽のフィールドでも…そのサウンドの構造を土台に多くの曲が作られているのがわかります ♪ 日本において身近なのは…その曲の一部がそのまま使われている山下達郎さんの “ クリスマス·イブ ” でしょうか ♪ ところで、この“ パッヘルベルのカノン ” という曲…全曲をとおして聴いてみると、ピアノの白鍵で弾くドレミファソラシの音の関係のなかに、時折…いわゆる移動ドで言う〈シ♭(シの半音下にあたる黒鍵の位置関係)〉の音(ニ長調では♮C=♮ドの音…)が混じってくるのが聴こえます ♪ これは、その後の時代の整然とした音階で作られた音楽に慣れた耳には、とても 不思議な響きに感じられます ♪ この〈シ♭〉にあたる音が使われることに…以前このブログでも何回かふれた〈自然倍音列による音階〉との関係を想像してしまいます ♪ そのサウンドはいわゆる〈 Blues ブルース〉のような響きにも感じられて、人間の共通の自然な感覚にもとづいて曲がつくられることのひとつのわかりやすい例のように思えてしまうのです ♪ 〈白鍵のシ〉か〈黒鍵のシ〉か …ここに音楽と人間の不思議な関係の歴史が垣間見える気がします ♪ (とりとめのない話シリーズ…♪)
映画『リトル・ロマンス A Little Romance 』(1979)は…『明日に向かって撃て!』、『スティング』で知られるジョージ・ロイ・ヒル監督による青春映画の傑作です ♪ 今や名実ともに大女優のダイアン・レイン Diane Lane のデビュー作でもあります ♪ 私が最初に見始めた映画のひとつで、十代前半の主人公たちの初々しさと、老年のいぶし銀の名演技で脇をささえるローレンス・オリビエ Laurence Olivier の素晴らしさが今も記憶に深く刻まれています ♪ 音楽は、これまた 1960 年代のヌーベルバーグ Nouvelle Vague のフランス映画の数々から、のちには『ツインズ』、『フォー・エバー・フレンズ』などのハリウッド映画まで手掛けていく映画音楽の名作曲家 ジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue が担当…♪ 当時、欧米でベストセラーになっていた、作家パトリック・コーヴァンの小説を映画化したもので、パリで巡り逢い、惹かれ合った2人の少年少女が謎の老人から聞かされた伝説に導かれるように , 、ヴェニスのため息の橋の下でキスをして永遠の愛を誓おうとする…現代のおとぎ話 ♪ メインテーマには Vivaldi ヴィヴァルディのギター協奏曲の美しい緩徐楽章が使われて、みずみずしいロマンチックな雰囲気を醸し出しています ♪ この映画でアカデミー賞のオリジナル作曲賞も獲得しているジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue の作る…それ以外の音楽も、丁寧で職人的な佳曲ばかりで、映像と音楽が相まって楽しめるとても素敵な作品です ♪ この作品にふれるたびに、映画と音楽とのいちばん美しい関係について、いつも…ハッと気づかされるようです ♪