アルト・サックス奏者…Art Pepper アート・ペッパーは、日本でとても人気の高いジャズマンとして知られています ♪ 1940年代のビッグバンド全盛の時代から活躍をしている白人ジャズプレーヤーの草分けで、1982年に亡くなるまで、麻薬中毒に苦しみながらも素晴らしい演奏を展開しつづけました ♪ 1950年代から優れたアルバムを多く残していますけれども、私自身にとって…1982年リリースの、カリフォルニアでの晩年のライブアルバム『Road game ロード・ゲーム』は、とりわけ好きな作品です ♪ 冒頭のタイトル曲であるオリジナルブルースに始まり、3拍子で展開する2曲目の “ Road Walz ” でのブルージーなフレージングは…ジャズが肌の色に関係なく素晴らしいプレイを展開できることを証明してみせてくれます ♪ オリジナルLPレコードのB面…クラリネットでの軽やかなインプロヴィゼーションを聴かせるスタンダード “ When You’re Smiling ” につづいて、12分におよぶ入魂のブローイングをくりひろげる “ Everything Happens To Me ” の演奏には…なんど聴いても胸を熱くさせられます ♪ それから1年経たないのちに亡くなってしまうことを考えると…この素晴らしい演奏が、まるで「辞世の句」のようにも思えてしまって…感慨がさらに深まります ♪ 優れた演奏技術と〈こころ〉が音楽のなかで切り離すことのできないかたちで輝いているのを感じさせる名作『 Road game 』です ♪
映画『リトル・ロマンス A Little Romance 』(1979)は…『明日に向かって撃て!』、『スティング』で知られるジョージ・ロイ・ヒル監督による青春映画の傑作です ♪ 今や名実ともに大女優のダイアン・レイン Diane Lane のデビュー作でもあります ♪ 私が最初に見始めた映画のひとつで、十代前半の主人公たちの初々しさと、老年のいぶし銀の名演技で脇をささえるローレンス・オリビエ Laurence Olivier の素晴らしさが今も記憶に深く刻まれています ♪ 音楽は、これまた 1960 年代のヌーベルバーグ Nouvelle Vague のフランス映画の数々から、のちには『ツインズ』、『フォー・エバー・フレンズ』などのハリウッド映画まで手掛けていく映画音楽の名作曲家 ジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue が担当…♪ 当時、欧米でベストセラーになっていた、作家パトリック・コーヴァンの小説を映画化したもので、パリで巡り逢い、惹かれ合った2人の少年少女が謎の老人から聞かされた伝説に導かれるように , 、ヴェニスのため息の橋の下でキスをして永遠の愛を誓おうとする…現代のおとぎ話 ♪ メインテーマには Vivaldi ヴィヴァルディのギター協奏曲の美しい緩徐楽章が使われて、みずみずしいロマンチックな雰囲気を醸し出しています ♪ この映画でアカデミー賞のオリジナル作曲賞も獲得しているジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue の作る…それ以外の音楽も、丁寧で職人的な佳曲ばかりで、映像と音楽が相まって楽しめるとても素敵な作品です ♪ この作品にふれるたびに、映画と音楽とのいちばん美しい関係について、いつも…ハッと気づかされるようです ♪