私にとって Miles Davis の音楽の最初の体験は新宿駅西口の屋外スペースを会場にした来日公演をTV放送で観た1981年のことです ♪ 1975年以降ライブ活動を休止してから久々に再開されたライブ演奏ということでメディアにも大々的に取り上げられました ♪ 風のなかで飄々とトランペットを吹く Miles にサックスの Bill Evans, Al Foster と Marcus Miller とのしなやかで強力なドラム&ベース、そしてあふれ出るようなフレージングでエレキギターを弾く Mike Stern …さらにそのアンサンブルにひときわ存在感を放っていたのがパーカッションの Mino Cinélu のコンガの演奏でした ♪ 以来…このキーボードレスのギター、ベース、ドラムにパーカッションを加えたこのシンプルなリズムセクションの素晴らしさに魅了され、このときのツアーの演奏が収録されたアルバム『 We Want Miles 』は、私にとって…このツアーの別の公演の音源とも合わせて最もくりかえし聴いている Miles の録音のひとつです ♪ テーマとして提示される “ Jean Piere ”, つづく “ Backseat Betty ” からのファンクサウンドは今聴いてもまったく新鮮さを失っていません ♪ 終曲 “ Kix ” で聴かれる Reggae レゲエ ビートでの即興によるアンサンブルサウンドは、ジャズが形式のうえで本質的にまったく自由だ…ということを証明してみせてくれます ♪ 1991年に亡くなるまで生涯をとおして、最後まで Jazz ジャズ =即興演奏のあるべき姿を示しつづけてくれた Miles には…かぎりないリスペクトを抱かざるを得ません ♪
映画『リトル・ロマンス A Little Romance 』(1979)は…『明日に向かって撃て!』、『スティング』で知られるジョージ・ロイ・ヒル監督による青春映画の傑作です ♪ 今や名実ともに大女優のダイアン・レイン Diane Lane のデビュー作でもあります ♪ 私が最初に見始めた映画のひとつで、十代前半の主人公たちの初々しさと、老年のいぶし銀の名演技で脇をささえるローレンス・オリビエ Laurence Olivier の素晴らしさが今も記憶に深く刻まれています ♪ 音楽は、これまた 1960 年代のヌーベルバーグ Nouvelle Vague のフランス映画の数々から、のちには『ツインズ』、『フォー・エバー・フレンズ』などのハリウッド映画まで手掛けていく映画音楽の名作曲家 ジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue が担当…♪ 当時、欧米でベストセラーになっていた、作家パトリック・コーヴァンの小説を映画化したもので、パリで巡り逢い、惹かれ合った2人の少年少女が謎の老人から聞かされた伝説に導かれるように , 、ヴェニスのため息の橋の下でキスをして永遠の愛を誓おうとする…現代のおとぎ話 ♪ メインテーマには Vivaldi ヴィヴァルディのギター協奏曲の美しい緩徐楽章が使われて、みずみずしいロマンチックな雰囲気を醸し出しています ♪ この映画でアカデミー賞のオリジナル作曲賞も獲得しているジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue の作る…それ以外の音楽も、丁寧で職人的な佳曲ばかりで、映像と音楽が相まって楽しめるとても素敵な作品です ♪ この作品にふれるたびに、映画と音楽とのいちばん美しい関係について、いつも…ハッと気づかされるようです ♪