Steely Dan スティーリー・ダンの音楽に私自身が関心を向けて聴きはじめた1980年代前半の頃…すでにグループは活動を休止していて、Donald Fagen のソロでのアルバム『The Nightfly』(1982)がリリースされていました ♪ グループとしてのアルバムを聴いたのは1980年の『Gaucho ガウチョ』が最初で、さかのぼって『Aja 彩(エイジャ)』(1977), 『The Royal Scam 幻想の摩天楼』(1976)などの作品を聴いていくことになります ♪ Donald Fagen 自身が語っているように、ロックビートのうえにジャズのテイストを盛り込んだ〈テンションコード〉を多用したサウンドは、歌われるその難解な歌詞と相まってとても斬新でスマートな快さを感じさせます ♪ ファーストアルバム『 Can't Buy A Thrill 』(1972)冒頭の、ラテンビートに乗せた最初のヒットナンバー “ Do It Again ” や、軽快なシャッフルを聴かせる “ Reelin' In The Years ” といった初期の録音からも、すでにテクニカルなアレンジとコーラスの冴えを魅せていて…年代を経るごとに高まっていく創作のクオリティは今も飽きさせない魅力に満ちています ♪ 2000年代に入って活動を再開してからも、グラミー賞を受賞した『Two Aginst Nature』などの変わらず優れた作品を世に送り出していますけれども…そのグループの頂点の質を感じさせる、前出のアルバム『Gaucho ガウチョ』のタイトルナンバー “ Gaucho ” が…彼らの作品のなかで私のフェイバリットナンバーです ♪
映画『リトル・ロマンス A Little Romance 』(1979)は…『明日に向かって撃て!』、『スティング』で知られるジョージ・ロイ・ヒル監督による青春映画の傑作です ♪ 今や名実ともに大女優のダイアン・レイン Diane Lane のデビュー作でもあります ♪ 私が最初に見始めた映画のひとつで、十代前半の主人公たちの初々しさと、老年のいぶし銀の名演技で脇をささえるローレンス・オリビエ Laurence Olivier の素晴らしさが今も記憶に深く刻まれています ♪ 音楽は、これまた 1960 年代のヌーベルバーグ Nouvelle Vague のフランス映画の数々から、のちには『ツインズ』、『フォー・エバー・フレンズ』などのハリウッド映画まで手掛けていく映画音楽の名作曲家 ジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue が担当…♪ 当時、欧米でベストセラーになっていた、作家パトリック・コーヴァンの小説を映画化したもので、パリで巡り逢い、惹かれ合った2人の少年少女が謎の老人から聞かされた伝説に導かれるように , 、ヴェニスのため息の橋の下でキスをして永遠の愛を誓おうとする…現代のおとぎ話 ♪ メインテーマには Vivaldi ヴィヴァルディのギター協奏曲の美しい緩徐楽章が使われて、みずみずしいロマンチックな雰囲気を醸し出しています ♪ この映画でアカデミー賞のオリジナル作曲賞も獲得しているジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue の作る…それ以外の音楽も、丁寧で職人的な佳曲ばかりで、映像と音楽が相まって楽しめるとても素敵な作品です ♪ この作品にふれるたびに、映画と音楽とのいちばん美しい関係について、いつも…ハッと気づかされるようです ♪