西欧のクラシック音楽の歴史上、よく〈不当に見過されている〉といういいかたをされるロシアの作曲家…スクリャービン Alexandre Scriabine(1872-1915) の音楽は…私にとって、関心をもった10代の頃から今も変わらぬ謎めいた不思議な魅力に満ちています ♪ それは…同世代の同じくロシアの代表的作曲家ラフマニノフと双璧をなしたとも伝えられる卓越したピアノの技巧を伴って、以前からこのブログでも繰り返しふれている〈倍音=ひとつの音を鳴らしたときに聴こえる音のこだま…〉にもとづいた〈自然科学的な〉音階や和音を駆使して創作された、彼の音楽の基軸となるピアノ曲、そして…そのピアノ曲と本質的に同じサウンドで成り立っている壮麗なオーケストラ作品を聴きかえすたびに、新しい色あいの印象とともに…私のこころと思考を刺激します ♪ いまでは近代から現代の音楽…さらには Jazz をはじめポピュラー音楽のフィールドにまで、その大きな影響をあたえていることが証明されているスクリャービンの音楽は…その43年の短い生涯においての創作の変遷を如実に示してくれる10曲の〈ピアノソナタ〉を中心とするピアノ作品や〈ピアノ協奏曲〉、そして〈5つの交響曲〉などのオーケストラ作品において…音楽の過去、現在、未来を俯瞰させてくれるように感じます ♪ 往年のピアニスト=指揮者… V ·アシュケナージによる、そのピアノソナタの決定版ともいえる演奏は…ぜひ聴いてみていただきたい不朽の録音です ♪
映画『リトル・ロマンス A Little Romance 』(1979)は…『明日に向かって撃て!』、『スティング』で知られるジョージ・ロイ・ヒル監督による青春映画の傑作です ♪ 今や名実ともに大女優のダイアン・レイン Diane Lane のデビュー作でもあります ♪ 私が最初に見始めた映画のひとつで、十代前半の主人公たちの初々しさと、老年のいぶし銀の名演技で脇をささえるローレンス・オリビエ Laurence Olivier の素晴らしさが今も記憶に深く刻まれています ♪ 音楽は、これまた 1960 年代のヌーベルバーグ Nouvelle Vague のフランス映画の数々から、のちには『ツインズ』、『フォー・エバー・フレンズ』などのハリウッド映画まで手掛けていく映画音楽の名作曲家 ジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue が担当…♪ 当時、欧米でベストセラーになっていた、作家パトリック・コーヴァンの小説を映画化したもので、パリで巡り逢い、惹かれ合った2人の少年少女が謎の老人から聞かされた伝説に導かれるように , 、ヴェニスのため息の橋の下でキスをして永遠の愛を誓おうとする…現代のおとぎ話 ♪ メインテーマには Vivaldi ヴィヴァルディのギター協奏曲の美しい緩徐楽章が使われて、みずみずしいロマンチックな雰囲気を醸し出しています ♪ この映画でアカデミー賞のオリジナル作曲賞も獲得しているジョルジュ・ドルリュー Georges Delerue の作る…それ以外の音楽も、丁寧で職人的な佳曲ばかりで、映像と音楽が相まって楽しめるとても素敵な作品です ♪ この作品にふれるたびに、映画と音楽とのいちばん美しい関係について、いつも…ハッと気づかされるようです ♪